飼い主がつくるドッグフード

飼い主がつくるドッグフード

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人という生き物は食の喜びを大事にするようで、実にいろいろなものを食べます。
その食い道楽精神を飼っているペットに適用したり、愛情表現の一端として、あるいは安全な食品を目指した到達点として、手作りのドッグフードを与えたりする人も中にはいます。

 

本などでも手作りドッグフードのレシピが掲載されることがあり、試してみた人もいることでしょう。

しかし手作りドッグフードはよく注意して作らないと、かえってお腹を壊したり、栄養の偏りを生んだりする可能性があります。
まじめに取り組むとかなり手間がかかるので、アレルゲン(アレルギー)の回避などがない限りは、一般に販売されているドッグフードでいいと思います。

 

 

いぬに野菜を与えるときは必ず砕いてから

人は雑食性ですがいぬは肉食獣の末裔ですので、動物性タンパク質がおもな材料となります。
また野生では、獲物の腸を丸ごと食べる事で、その中にある消化された植物栄養素を吸収しているとされています。
確かに野菜のような植物性の材料は必要なのですが、肉食獣は自力でそのままの野菜を消化できないので、前もってミキサーで粉砕するなどの加工が必要です。
野菜類はしっかりとつぶすようにしてください。
見た目がぐちゃぐちゃで人の目から見るとまったくおいしくなさそうですが、必要な栄養素を吸収しやすくするにはこの方がいいでしょう。

 

また、「加熱すると栄養素が壊れてしまうので生肉を与えるとよい」とする説もみかけます。
確かに野生では、獲物は生です。
お腹を壊さないようなら生肉を使用してもいいでしょう。
しかしそれをいうなら、野生では生のまま獲物の内蔵も食べます。
内蔵から骨髄まで噛み砕いて食べて初めて、野生に近い生食を実現したと言えるでしょう。

 

しかし、一般家庭でこれはまず無理です。
と言う事であれば、生の筋肉だけを与えることにそれほど固執する必要はないと思います。
どうしてもなま肉を与えたいのであれば、鮮度と衛生面には十分注意してほしいところです。

 

 

いぬの体調がよければむやみにメニューを変えない

せっかくの手作りドッグフードなのですから、いろんなメニューを楽しませてあげたい人がいるかもしれません。
しかし水を差すようですが、使用する材料が多いほど、そのいぬに合わない食材を使ってしまう確率が高くなります。
香味野菜やアクの強い食材は、人にとっては食欲増進やその他の健康効果をもたらす場合があります。
しかしいぬにとってはそのほとんどが無用、もしくは逆に体調を壊す原因になりかねません。

 

使用する食材の選択基準として簡単なのは、市販のドッグフードに使われている食材、もしくはそれに類似する食材だけに限定するという事です。
試しにドッグフードを食べてみれば分かると思いますが、われわれが感じるようなうまみや風味はまったく無縁のそっけない味です。

 

考えるほどに、実は市販のドッグフードはずいぶん便利で完成されたものだと言う事に気づきます。
確かにドッグフードのリコール問題や過剰な添加物は気になるところですが、実はよく考えずに手作りドッグフードを導入することによるトラブルの方がずっと重大で深刻なのです。

 

なんのために手作りしているのか忘れないようにしながら、そしてなんらかの疾患対策なのであればかかりつけの獣医にメニューの内容を確認してもらい、努力が無駄にならないよう正しく料理してください。

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