いぬには毒の意外な食べ物

いぬには毒の意外な食べ物

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ここでは、人の食べ物でありながら、いぬにとっては望ましくない食べ物を解説します。

 

いぬは人と同じ哺乳類ですが、体の消化吸収システムは細部が違います。
体内の代謝は意外に融通が利きません。
人なら普通に分解できるものが、いぬにとっては有毒物質である事が多々あります。

 

そして分解されない有害物質が体内をめぐってしまい、致命的なダメージをもたらすことがあるのです。

 

万が一、下記に解説するものを食べてしまった場合、まだ胃の中にあるならば基本的に吐かせた方がいいでしょう。
とにかく気がついた時点で、すぐにかかりつけの獣医に連絡を取って指示に従う事が重要です。

 

 

ネギ類

ニラやニンニクも含むネギ類は「アリルプロピルジスルフィド」という成分が含まれています。
人には問題ないのですが、いぬがアリルプロピルジスルフィドを含んだ食物を食べると、赤血球を破壊されてしまいます。
だいたい食べてから2日ぐらいで発症し、真っ赤な尿が出るとともに、貧血を起こします。

 

ただし個体差が大きく、敏感ないぬだとネギ入りのみそ汁をひと舐めしただけで発症しますが、鈍感ないぬだと、タマネギ入りハンバーグを丸ごとたべても平気だったりします。
愛犬がネギ類を食べてしまったら、「少ししか食べてないから大丈夫だろう」などと安易に判断せず、念のために動物病院で検査を受けましょう。

 

 

鳥や大きな魚の骨

いぬは強力な胃散で骨を溶かしますが、とがった骨は食道や胃、腸を傷つける事があります。
消化器官には雑菌がたくさんいるので、とがった骨で穴が開くと、急性腹膜炎を起こして短時間で死に至る事もあるのです。

 

よくあるのは、飼い主が危険を知らずに与えてしまったケースや、台所の生ゴミを夜中に漁って食べてしまったケースです。
フライドチキンのようなブロイラー(食肉用のニワトリ)の骨は柔らかいので溶けやすいのですが、それも危険です。

 

 

水を吸って膨らむもの(干しアンズ)

いぬが、乾いた状態の干しアンズなどをお腹いっぱいに食べると、胃酸を吸って数倍にふくれあがります。
すると胃がパンパンに膨れ上がり、「胃拡張」を起こします。
程度によりますが、胃拡張のショックで死に至るケースもあります。

 

 

膨らむうえに毒性のあるもの(レーズン)

レーズンは膨らむこと以外の危険として、腎臓への毒性があることが最近わかっています。
レーズンは当分が多く味も濃い為、胃炎を起こしやすいのも問題です。

 

干していないただのブドウにも同様の毒性はありますが、レーズンの方が危険とされています。
これは、レーズンが干されて体積が減っているため、袋ごと盗食すると大量に摂取してしまうからです。
生のままでは、そこまでの量を食べる事はあまりありません。

 

ちなみに、体重1kgあたり10〜30gの摂取で中毒を起こします。

 

 

キシリトール入りの製品

人の虫歯予防で有名な物質ですが、いぬにとっては「肝臓毒性」(肝臓にダメージを与える事)があります。
日本ではまだ認知度が低く、いぬ用のおやつに結構混ぜられていますが、含有量が少ないせいか、あまり問題にされていません。
しかし、人が食べるキシリトールガムは「わずか数枚でも危険」との報告もあります。

 

 

人の食べ物が入っているビニール袋を丸ごと

意外に多いのがこのトラブルです。
中身はそれほど危険ではなくても、ビニール袋ごと食べてしまっては、消化できるはずがありません。

 

うまく吐ければいいのですが、詰まってしまってからでは遅いので、内視鏡による摘出や胃の切開手術を検討します。

 

人の食卓からおこぼれをもらう習慣があるいぬは、うっかり落としたおかずを食べたり、場合によっては食卓から食べ物を引きずり降ろしてまで盗食したりもします。
害のないものを選別して与えているつもりでも、そもそもこのようなスタイルが、一歩間違えれば事故を呼びます。
人がご飯を食べている時は近くに寄らせない事が大事です。

 

 

上記は大きな例ですが、細かく言えばまだまだあります。
また、大丈夫だからと言って人の食べ物を与えると、毒性はなくともアレルギーを引き起こす可能性もあります。
可愛がって与えるつもりでも事故や病気に繋がるので人の食べ物は口にさせないよう飼い主さんが気を配ってあげてください。

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