いぬの【食餌性アレルギー】を回避しよう

いぬの【食餌性アレルギー】を回避しよう

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Photo By Grumpy Chris

 

食餌性アレルギーが引き起こす最もメジャーなものが「アレルギー性皮膚炎」です。
個体によって炎症に多少の差はありますが、目の周りや口の周り、外耳道が、ふちどったように赤く炎症を起こして、脱毛とかゆみがある場合は、食餌性アレルギーを疑います。

 

食餌性アレルギーは、内服薬(抗アレルギー治療薬)の効き目が鈍い事も多く、やっかいです。

 

食餌性アレルギーの対処法は、基本的に「疑わしいものを排除してみる」事です。
主食は1銘柄に絞り、それ以外のおやつは一切なしにします。
水分はふつうの真水だけで、牛乳などは禁止です。
これでも改善しなければ、主食の内容を変えて反応をみていきます。

 

 

材料を限定した「除去食」

普通のドッグフードは、いろんな原料から作られています。
栄養のバランスをとるには、なるべく多くの種類の食材を盛り込む方が望ましいのですが、それは同時に、そのいぬにとってのアレルゲンに遭遇する確率が高まる事でもあります。

 

そこで、使用する食材を限定し、バランスがおよばない部分は各種の栄養添加剤で補った「除去食」と呼ばれるドッグフードが考えられました。

 

除去食は、ドッグフードメーカー各社から製品がでています。
除去食を使用する事でアレルゲンを回避できれば、症状の改善が期待できます。

 

一般食にはあまり使われていない食材を選んで構成されており、1つ試してみてダメだった場合は、違う構成のものを試してみるといいでしょう。

 

人の場合は、乳幼児期に食べた食材が後でアレルゲンに化けやすいというデータがありますので、いぬが生まれてから今までで食べた事のない食材を狙うと、より成功しやすいと考えられます。

 

 

加水分解食

体の免疫が敵を認識するには、対象がある程度大きな分子でないとうまくいかないそうです。
そこで、ドッグフードのタンパク質を製造過程で分解して、細切れのアミノ酸にしてしまおうという発想が生まれました。

 

「加水分解」というのは簡単に言うと、分子を断ち切る際に水の分子が切断端に加わるということです。

 

これにより、体の免疫システムはドッグフード中の分解タンパク質をアレルゲンとしてとらえられなくなるわけです。
加水分解食は、基本的に一般のペットショップでは購入できないので、かかりつけの獣医に相談するといいでしょう。

 

ただしこれは反論もあり絶対ではないようで、分解されたタンパク質がやはりアレルギーを起こすという話もあります。
また、人工的な化学反応を加えているせいか、風味に劣り、いぬによっては全く食べない、あるいはかえって下痢をする事もあります。

 

 

免疫を抑制するサプリメント

漢方の「レイシ」や「オメガ3脂肪酸」など、暴走した免疫系を整え、アレルギー抑制効果があると言われているのは、数多くあります。
しかし物によっては信用性と実績に乏しく、実質、ほとんど効果のなさそうな怪しげな製品も非常に多く存在しています。

 

この手の商品は効いたり、効かなかったりの個体差が大きいので、試して効果がなければ、あまり固執しない方がいいでしょう。
また、副作用の少ない物を選んでください。

 

 

まずは体に合った食材を見つける

いずれのドッグフードも、効果が出るまで2〜3ヶ月は様子を見た方がいいでしょう。
食べ始めてすぐに変化がないからといって次々に乗り換えていくと、どこかで最適なドッグフードと巡り会っていたとしても、気がつかずに見落としてしまう事になります。

 

また、途中でうっかりおやつを与えたり、飼い主の食卓からおこぼれをもらったりした場合は、そこから数え直しになってしまいます。
ほんの少しでも「寄り道」したら、ゼロから再スタートなので要注意です。

 

また、非アレルゲンと判断されても、その食材を続けて長期に渡り摂取し続けると、そのうちアレルゲンとなってしまうことがあります。
そこで可能な限り多くの安全な食材・既成処方食を探しだし、これらをローテーションすることで新しいアレルゲンの発生を抑えるなどの工夫も有効です。

 

 

以上のような対処法は手間がかかりますが、うまくいけば絶大な効果が上がります。

 

 

愛犬の為に飼い主さんはアレルギーの原因を見つけ出さなければなりません。
可愛いからといっておやつを与える気持ちは分かりますが、心を鬼にして我慢させるのも、飼い主さんのつとめです。

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