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猫と赤ちゃんの同居
一般的によく耳にするのは、猫と妊婦さんが一緒に生活していると「健康な赤ちゃんが生まれない」や「赤ちゃんがアレルギーになる」などがあり、家族や周りの人から「猫を手放した方がいいのでは?」と言われる傾向が高いようです。
本当に猫と一緒にいると赤ちゃんがアレルギーになったり、健康を損なうようなことがあるのでしょうか?
赤ちゃんが健康で生まれないと言われる理由
猫を手放した方がいいのでは?と言われる方が一番心配していることに「トキソプラズマ感染症」があげられます。
トキソプラズマ感染症とは、人と動物(ペットや家畜)に共通して感染する感染症の1つです。
トキソプラズマは寄生虫の中でももっとも小さいものに部類され、人間も含めて多くのほ乳類(羊、豚、ネズミ、ハムスター)、鳥類も感染しやすく、犬には感染しにくいのが特徴です。
そもそも寄生虫は感染したあと、自身が成虫になって卵を産む必要があるためそれに一番適した環境の動物に寄生します。
寄生する動物が弱ってしまっては自身も繁殖活動をしていけなくなるので、普通は寄生する動物に深刻な危害を与えません。
しかし、自身が成虫になれないような環境の動物に寄生した場合は、あちこちを動き回り色々な弊害をもたらすことがあります。
トキソプラズマの場合は、幼虫から成虫に成長して繁殖活動するのに一番適した動物が猫科の動物になります。
このことから、トキソプラズマという名前があがると、真っ先に猫の名前があがるというわけです。
しかし、実際にはトキソプラズマは猫からの感染よりも特に生肉(豚)や庭の土、ハエやゴキブリなどから感染する確率の方が高いようです。
トキソプラズマはどうやって感染する?
トキソプラズマは繁殖活動することができる成虫の状態、あるいは、繁殖活動できない幼虫の状態、この2つの状態で体内に取り込まれます。
猫からの感染経路は、猫に感染して体内で繁殖活動を行い、猫は繁殖活動することができる状態の成虫を糞便と一緒に排出します。
この糞便と一緒に排出されたトキソプラズマを口にするとその動物は感染します。
しかし、排出されたばかりのトキソプラズマには感染能力は低く、およそ24時間〜3週間ほど経ってから感染能力をもつ成熟した成虫に変化します。
このことからも室内で飼っている猫からの感染の場合、猫がトキソプラズマに感染し、その猫が排泄した糞便を24時間以上放置し、それを直接口にしない限りは感染する確率は低いと言えます。
妊娠中の場合は、猫が排泄したうんちをビニール袋を着用して処分し、そのあとに必ず石けんでキレイに手を洗えばより安心というわけです。
猫以外からの感染
猫以外から感染することだってもちろんあります。
トキソプラズマが付着した動物の肉を食べると感染しますが、この場合、充分に加熱すれば問題ありません。
また、土いじりからも感染する恐れがありますが、ゴム手袋をつけ、土を触ったあとは必ず石けんで手を洗うようにすれば感染を防ぐことができます。
妊婦さんとトキソプラズマ原虫との関係
現在、成人の20〜60%はすでにトキソプラズマに感染したことがあると言われているのですが、健康の人の場合は免疫で抑えられるので何の問題もありません。
しかし、妊娠中に始めてトキソプラズマに感染すると胎盤を通じて胎児も感染し、流産や死産、新生児水頭症を引き起こす可能性があります。
胎児にとって問題となる感染は妊娠中に始めてトキソプラズマに感染した場合だけになります。
妊娠の6ヶ月以上前に感染した場合は免疫により増殖が抑えられるので問題はないとされています。
これから妊娠する可能性がある場合は一度トキソプラズマの検査を受け、陽性だった場合はこの病気に関して問題はないと言えます。
陰性だった場合は飼っている猫にトキソプラズマの抗体があるか検査を受けさせましょう。
猫が陽性だった場合でも安心せずに、猫の免疫機能が低下しないように健康管理に気をつけ、密接な関係(一緒に寝る、食べ物の口移し、顏を舐める)は避けて下さい。
猫が陰性の場合は、猫と飼い主さん両方が感染しないように注意しなければなりません。
このことから、猫と妊婦の同居は常識的な生活であれば問題はないということが言えるのではないでしょうか。
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