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地球上で残り少ない貴重な野生動物を狙う密猟者があとを絶たないばかりか、彼らから売られた動物に虐待行為を強いる飼い主も少なくない。
そうした残酷な人々から動物たちを救うべく、あらゆる組織団体が野生動物の救済・保護に奔走しているが、このほどインドで1頭のゾウが保護に間に合うことなく命を落とした。
団体スタッフらは怒りを露わにするとともに、改めて密猟から起こる野生動物への虐待について述べている。
インドのビハール州モティハリで、1頭のゾウが自由を奪われたまま息絶えた。30歳のメスのゾウ、ラクシュミ(Laxmi)はまだ小さかった頃、密猟者によって母親と群れから引き離され捕らえられた。
それ以来、自由を奪われ何十年も肢を鎖に繋がれて飼い主に酷い虐待を受けてきた。
そんなラクシュミのことを知った人物が、インドで野生動物や自然環境の保護に努める非営利福祉団体「Wildlife SOS」に連絡し、これを受けたスタッフらはすぐに救出へと出向いた。
同団体スタッフのカーティック・サトヤナーヤン(Kartick Satyanaryan)さんはこのように話している。
「我々は通報で、ラクシュミの状態がかなり酷いことを知りました。ラクシュミを救うため、ゾウ専門の獣医師を連れてすぐに飛行機でビハール州へ向かったのです。ですが、居場所を掴むことに手間取り、ラクシュミの救出は叶いませんでした。」
ラクシュミの飼い主は、槍やブルフック(金属の尖った爪がついている長い棒)などを使って無理やり動かせるなどして虐待し、ラクシュミが弱って歩けなくなるまでサーカスなどでこき使って利益を得ていたとされている。
長年の苦悩に耐えかねたラクシュミは、何か月も掃除をしていないと思われる糞尿にまみれた地面で、鎖に繋がれたまま息絶えていたという。
死んだラクシュミを放ってそのままどこかへ姿をくらましたのか、飼い主の姿はなかったようだ。
ユドゥラジ・カンデーカル(Yaduraj Khadpekar)医師は、「ゾウの年齢でいうと、ラクシュミはまだ若い方です。ですが究極の栄養失調状態にあり、骨格変性もしくは代謝障害を患っていたのでしょう。骨が既に脆くなっており、四肢が内側に屈して体にはあばら骨が浮き上がっていました。ラクシュミは、自分の体重を四肢で支えられないほど弱っていたのです」と長年にわたりひどい状態で飼われ続けて来たのかを口にした。
「Wildlife SOS」はラクシュミの救出・保護には間に合わなかったものの、このような残酷な虐待行為に苦しむ全てのゾウのためにも改めて野生動物への虐待に注意喚起を促している。
同団体創設者のギータ・セシャマーニ(Geeta Seshamani)さんは、このように語った。
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