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2015年の8月。ケニアのサバンナで密猟によって毒矢を打たれた、雄のゾウと2頭の雌ゾウが人間に助けを求めてやってきました。
彼らは、およそ2日間かけて手負いの体で、ある施設を目指したのです。
横たわっているゾウの傷の治療を行う医療スタッフたち。野生ゾウの保護施設「David Sheldrick Wildlife Trust(DSWT)」は、孤児となったゾウの救出のほか、野生動物やハンターに襲われた傷の手当やリハビリを主に行う自然保護団体のひとつ。
1頭のゾウが2頭のゾウをひきつれるようにDSWTを目指してきたと言います。先導した野生のゾウは、施設で保護されていた経験はなかったものの、ほかの2頭は以前この施設で保護され、野生に還された経験があります。
この雄ゾウは、孤児となったDSWTで保護され、その後、野生に戻された2頭(Mwende・Yetu)の雌ゾウとの間に、2011年に子供をもうけていた記録も判明しました。
「私たちなら手当をしてくれると分かっていて、施設を訪れたのは明らか」と断言するスタッフもいたそうです。
ゾウが人間に助けを求めてやってくることはあるのでしょうか。じつは、ゾウは空間認識能力に長けた動物。
「体内に備わるGPSが、広大なサバンナで水源地を求めて移動するのにも役立てている」と専門家たちはみています。
密猟の手から野生のゾウを守る保護目的で、人間の手によってGPS付きの首輪をつけられることもあるそうですが、それは人間の側がゾウの位置を把握する目的。
今回はその逆。ゾウが何も情報がない状態で人間のいる場所、自分たちを介抱してくれる人間の場所へと向かわせたのです。
幸いな事に傷ついたゾウたちは、DSWTの医療スタッフによって治療処置され3頭とも事なきを得ました。ですが、すべての野生動物たちが彼らのように助けを求めてやってこれるほど、優れた能力を発揮できるとは限りません。
過去の3年間だけで、10万頭を超えるアフリカゾウが密猟によって殺されています。その目的は象牙の取引によるもの。このままでは、「10年以内にアフリカゾウは全滅の危機がくる」と唱える専門家もいるそうです。
参照元:thedodo
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