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遺伝性疾患
病気になる原因は、大きく分けると「遺伝」によるものと「環境」によるものがあります。
ほとんどの場合この2つが関係していますが、主に遺伝だけが原因となる病気のことを「遺伝性疾患」と呼びます。
遺伝
遺伝とは親から子へと形態や性質が受け継がれることをいいます。
形や質などの遺伝の設計図となるものを「遺伝子」と呼びます。
遺伝子
遺伝子とは細胞の1つ1つの中にある核という中に納められているDNAという物質です。
ペットを含むほほ乳類の体は父と母のDNAを半分ずつもらった一個の受精卵から作られ、形態や性質も半分ずつもらっています。
遺伝子はどのように現れるのか
犬の例でいうと、「ベージュの父」「白の母」から生まれる子犬が全てベージュと白の半分ずつの毛色になる訳ではありません。
ある子犬はベージュ、ある子犬は白、ある子犬は両方。というように、遺伝子の表れ方は非常に複雑なのです。
ある遺伝子がある遺伝子を打ち消したり、それとは逆にある遺伝子とある遺伝子が合わさって新しい遺伝子が生まれるということも当然あります。
病気という形態はどうか
親から子へ受け継がれる形態の中には、受け継がれて欲しくない「病気」に関連するものもあります。
受け継ぐ遺伝子によって発現する病気のことを総して「遺伝性疾患」といい、遺伝性疾患を発症したペットの子供が必ずしも病気になるとは限りませんがその要因は秘めており、その遺伝子から病気が体現する可能性はあります。
遺伝性疾患の例
・関節疾患
大型犬によく見られる病気で、「股関節形成不全症」と呼ばれています。
症状としては、生まれつき股関節のくぼみが浅いため大腿骨が関節内に収まらずに後ろ足が不安定になり関節炎や関節の変形などを引き起こします。
ひどい場合は手術が必要になることもあります。
・水頭症
小型の短頭犬種に比較的多く見られる脳の病気です。
症状としては、頭蓋骨の中に脳脊髄液という液に浮いた状態で存在する脳が、脳脊髄液が必要以上に分泌されたり一定量ずつ排泄されなくなり脳が圧迫していきます。
生まれつきでこのような状態で脳への圧迫力が高くなると生命に危険が及ぶ場合もあります。
・陰睾
犬でもネコでも男の子の場合、成長するにつれて睾丸の袋の中に睾丸が落ちてきますが、この移動がうまくいかずに片方の精巣あるいは両方が落ちてこない事があり、これを「陰睾」といいます。
落ちてこない睾丸はそのままにしておくと腫瘍化しやすいことが知られているので、なるべく早く手術で取り除いた方がよいとされています。
遺伝性疾患は避けることができるのか?
遺伝性疾患を出さないようにするには、病気になる遺伝子をもつペットを繁殖させないことがもっとも大切なのです。
純血種の繁殖でも血が濃くならないように親近での交配は避けなければなりません。
ただ、純血種は品種を作り出す過程である程度は親近での交配がなされているため、何らかの遺伝性疾患を持っている可能性はありますが、「生まれつきの病気」であっても治療をすることで治すことができるものもあります。
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