いぬが足を引きずっている

いぬが足を引きずっている

dog

ねんざ・骨折

活発ないぬは、室内外を問わずよく動き回ります。
ちょっとした障害物でつまずいてケガをしたものから、派手な例では階段ですべってなられのようんび落ちてきてケガをするいぬもいます。

 

飼い主がケガをした瞬間を目撃していれば、ケガの程度もある程度分かるのですが、多くの場合はいつの間にか痛めているので、触診で部位にあたりをつけ、骨折の有無をレントゲンで確認します。

 

いにはケガをしている部分を触られると、たいてい嫌がるか怒るかします。

しかし、がまん強いいぬの場合、ねんざ程度だと触っても反応しない事があり、なかには院内でほとんど普通に歩いてみせ、必死に無傷を装ういぬもいます。

 

敵に弱点を見せないという野生の本能が発揮されるのか、警戒心の強いいぬほど症状を隠そうとします。

 

そのようないぬの場合は、家を出て病院に来るまでの様子を飼い主によく観察してもらう必要があります。
言葉で説明しにくい場合は、ケータイやデジカメなど動画撮影機能を利用してみせると獣医も助かるでしょう。

 

ひざのじん帯が伸びて、ひざのお皿がずれる「膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)」、ひざ関節の接合面のじん帯が損傷する「十字靭帯断裂(じゅうじじんたいだんれつ)」、「半月板損傷」などになると、手術による整復の必要があります。

 

不自然に痛みが継続するようであれば、詳しく調べてもらいましょう。
しかし、手術は万能ではありません。

 

ときに跛行が残ったり、あとになってから手術部位を再度、痛めたりする可能性もあります。

骨折しているいぬの場合はさすがに痛みを我慢できないようで、ほぼすべてのいぬが痛みを訴えます。
一般的には、かばい方が大げさな場合など痛みが大きいと考えられるので、早めに病院へ行ってください。

 

中途半端に放置すると、治りも悪くなります。

関節の脱臼は、場合によりますが温存するケースと手術するケースがあります。
最近ではペットにも人工関節の施術が試されているようで、飼い主が望めば大学病院や関節整形のエキスパートの先生に判断を仰ぐのも手でしょう。

 

 

椎間板ヘルニアによる神経の異常

筋肉や骨格が健在でも、それを制御する神経に問題があれば、歩き方に特徴的な異常が見られます。
脳や抹消神経のトラブルはごくまれで、実際は椎間板ヘルニアに起因する脊髄の障害がほとんどです。

 

人のヘルニアでも、指先がしびれたり、重度の例では下半身が麻痺したりするように、背骨のどのあたりにどの程度の障害があるかで症状が変わります。

 

なお、胸椎(きょうつい)と腰椎(ようつい)の境あたりが異常の起こりやすい部位です。

 

具体的な症状は、後ろ足の「ナックリング」や、突っ張り気味の足でギクシャクと歩くロボットふう、もしくは千鳥足での歩行、座った時に後ろ足を前方に伸ばして投げ出すなどです。
軽度で初期なら、患部を温めたり、投薬をしたりする事によって炎症を鎮められますが、重度になると手術が必要になる事があります。
大きな段差を降りると、衝撃が背骨にかかって悪化しやすいので要注意です。

 

おんな治療法を用いても再発の可能性は大きいので、運動の制限はずっと意識しなくてはいけません。

 

 

腫瘍

一番考えたくない可能性です。
いぬが異常を訴えた段階で、おそらくそれなりに病変は進行しています。
腫瘍性の細胞が見つかった場合、足を切断する事もありますが、すでに体幹部へ転移している場合は、手術せずに支持治療だけのことも多いです。

 

関節というのは手術の難易度が高く、感染にも弱い部位であるため、へたに大掛かりにいじって失敗するよりは、ギプスでの固定や消炎剤の投与でしのぐ古典的な手術の方が、結果として「本人」のためである事もあります。

 

多少の跛行やアンバランスが残ったとしても、それがいぬ自身に持続的に痛みを与えるものでなければそれもよしと言うわけです。

 

 

このあたりは獣医によって意見が分かれるところなので、治療方針を決定するときに担当に獣医とよく話し合う事をおすすめします。

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