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2013年のこと、観光地として人気のアメリカ自治領プエルトリコの海岸で、4匹のワイマラナーの子犬が発見されました。
この海岸は地元でも有名な「犬捨て場」だったのです。
地元の動物保護団体が動物病院に連れていくと、生後12週齢程度の子犬のリンパ腺は腫れており「ジステンパー」だと診断されました。
3匹は治療により回復したものの、”マレー”と名付けられた子犬の容態は重症で、団体の代表ベックルさんは獣医から安楽死を勧められたのです。
ベックルさんも辛い決断ではありましたが安楽死を了承し、マレーを診察台に乗せました。そのときマレーは大きく尻尾を振り獣医を見上げました。
その瞬間、獣医はマレーに安楽死を実行することができなかったと言います。マレーに残されたわずかな生きる力を信じて治療を開始しました。
治療にあたった獣医を始めスタッフたちの誰もが、マレーが生き延びるとは考えていませんでした。しかし、奇跡は起きたのです。
軽い発作や進行中の問題を抱えているものの、治療によってマレーは回復しました。しかし、ジステンパーによる後遺症で、成長とともにマレーの頭は変形していきます。
さらに、マレーの歯は腐ってしまったために大部分は抜歯され、マレーの舌は口から垂れ下がるようになりました。
病気による体の変形を抱えたマレーは保護施設で暮らすことになりますが、里親ができる確率は低いことは明らかでした。
そんなマレーに2度目の奇跡が訪れます。
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