2011年から内戦が続くシリアでは、人間だけでなく多くの動物たちも犠牲になってきました。
アレッポ近郊にある動物園「マジックワールド」でも、攻撃や飢えで数多くの動物が命を落としたのです。
国際NPOの「Four Paws」は7月下旬、飢えと闘いながらマジックワールドに残っている動物の救出作戦を開始。
7月21日に、3匹のライオン、2匹のトラ、2匹のアジアクロクマ、2匹のハイエナの合計9匹を救出したと発表しました。
「7月21日、我々は大きな成功を収めました。アレッポ近郊にあるアミューズメントパークから9匹の動物を救出することに成功しました」
「救出された9匹」
そして、さらに数日後。
さらに7月28日、Four Pawsは最後まで残されていた2匹の犬と2匹のライオンも救出したことも発表。これで、全ての動物の避難が完了したことになります。
救出された動物たちは、トルコ北西部の街ブルサ郊外にある保護施設に移送。
マジックワールドのオーナーは5年前に、戦火を逃れてアメリカに避難し、飼育員の多くも、動物たちを置いて自国を逃れる以外に選択肢がありませんでした。
飼育員が去った後、動物たちは檻のなかに取り残され、一部は爆撃や飢えで死にました。
今回救出された動物たちが生き延びたのは、地元の人々による支援のおかげ。
Four Pawsによると、マジックワールドから救出された13頭の動物たちは、トルコで適切な治療を受けた後、必要に応じて他の場所に移されるといいます。
「動物たちは、初めて専門医による健康診断を受けられます。血液検査に加え、超音波検査もして内蔵にダメージを受けていないかを調べます。
最終的な避難場所として、ヨルダン、南アフリカ、オランダなどが候補にあがっています。それぞれの動物にとってどの場所が一番良いか、個別に検討します」
Four Pawsは、戦争に翻弄されている動物たちを助けるための支援を呼びかけています。
参照元：Facebook