2013年。ケニアに象の親子の姿がありました。
頭を寄せ、花を擦り付けるのは象の赤ちゃん。この時、象の母親はすでに息を引き取っていました。
ある日、ハンターによって象の母親は足を撃ち抜かれ、骨を粉砕。かなりの重傷を負ってしまいました。その傷を負っているところをケニアの野生生物局に発見され、医療チームによって手当が行われましたが、その傷は想像以上に深いものでした。
手当はしたものの、奥深くでは象の母親の体を痛めつけ、ついには歩くことすらできなくなってしまったのです。
すると、自ら食料を口にすることも出来ず、水を飲むことも出来ません。まだ生後1ヶ月の我が子にミルクを与えるほどの栄養ももちろんありませんでした。
赤ちゃん像もお腹をすかして相当辛かったことでしょう。しかし、それ以上に母親から離れたくなかった。
苦しむ象の母親が息をひきとるその瞬間まで、赤ちゃん像は母親の体に鼻や頭をすり寄せ、ずっとそばにいました。
再び象の親子に出会った医療チームはとても辛かったことでしょう。手当はするものの、救うことが出来なかったのですから。
しかし、チームにはまだやらないといけない事が残されていました。
今度はこの赤ちゃん像を救わなければいけません。赤ちゃん像は母親の元を離れたがらなかったのですが、そのままでは飢え死にするのも時間の問題でした。
この赤ちゃんは「ゾンゴロニ」と名付けられ、自分と同じように家族を失い孤児になった象のいる施設にいくことになりました。
施設に到着していろんな像に出会ったゾンゴロニは、落ち着いていたといいます。母との辛い別れを時間とともに少しずつ理解したのでしょうか。
現在はリハビリとして、野生に戻るための準備期間に入っているそうです。
参照元:thedodo