いぬにワクチンを接種させる理由

いぬにワクチンを接種させる理由

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「ワクチン」の予防接種は、病原体を弱くしたものや、病原体を砕いた破片などを体内に注射し、体内に「抗体」をつくるためのものです。
 
ワクチンによって、あらかじめ体に抗体が用意されていれば、本物の病原体がやってきたときに、すばやくフルパワーで戦えるのです。
 
このシステムを「免疫」といいます。

 

生まれたばかりのいぬは抗体がないため、免疫が弱い状態です。
哺乳類の母親は、生まれる前は胎盤から、生まれたあとは初乳から抗体を子供に送ります。
 
これを「移行抗体」といいます。
 
いぬの場合は、ほとんどの移行抗体を初乳に頼っています。
 
初乳がでる時期は出産後1〜2日と短いものですが、生まれたばかりの子犬はこの初乳を飲んで、とりあえずもらいものの抗体を確保します。
初乳を飲む事で確保した抗体は、その後、約2ヶ月間持続しますが、その後は消失するので、今度は自分で抗体をつくらなくてはいけません。
 
自然界ではこのタイミングで、多くの子供が病気に負けて死んでしまいます。

初乳でもらった抗体がなくなったるタイミングで接種

つまり、人が飼っている場合は、このタイミングですかさずワクチンを打ち、病気に負けない力を与えるのです。
 
あまりワクチンの接種が早いと、初乳でもらった抗体が代わりにワクチンと戦ってしまい、本人の免疫を十分に鍛えられません。
そのため、通常は約2ヶ月(約8週)たってからワクチンを接種します。
 
ただし母親に捨てられたいぬや、母親の母乳分泌不全などにより初乳を飲めていない子犬の場合は、もっと早く打つ事もあります。
 
さらに、1ヶ月ぐらいあけて2回目(約12週目)、2回目(約16週目)を打ちます。
これは、免疫力が低い段階からスタートするため、1回だけでは十分な効果を期待できないためです。
 
短いサイクルで重ね打ちする事でより高い効果を狙うもので、「ブースター効果」「追加免疫効果」と呼ばれています。
 
そのほか、移行抗体が体内に残っている可能性も考慮しています。
そしてその後は、1年に1回、追加接種して免疫を維持していくのが一般的です。

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