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いぬの目は、飼い主がひんぱんに見る場所だけあって、比較的異常に気がつきやすい部分です。
しかし、毛が長い長毛種だと、目の状態を確認しにくかったり、周囲に付着した目ヤニにまぎれてしまった異常を見逃したりする事もあります。
ときどきはクリーニングもかねて、しっかりと目を見ておきましょう。
ここでは、症状からわかる目のトラブルを解説します。
目が白い
目の表面が白いのと、目の中が白いのでは、話が大きく違ってきますが、目の中の白濁と言えば、まずは「白内障」の疑いがあります。
白内障は、ピントを合わせる「水晶体」と言うレンズが白く変色してしまって、光を通さなくなってしまう事です。
もちろん視力障害を起こします。
水晶体は、「瞳孔(光で開いたり閉じたりする黒目の部分)」の向こう側に位置していて、異常がない限りは透明で確認しにくいし存在です。
しかし、白内障になると瞳の奥が真っ白に見えるのですぐにわかります。
白内障の中でもっとも多く見られるのは、「老年性白内障」です。
進行は、点眼薬で多少遅らせる事が出来ますが、そもそも老化によるものなので、大きな期待は出来ません。
人と同様に人口レンズに入れ替える手術も可能ですが、老犬に施術すべきかどうかは余命によるので、獣医に相談するといいでしょう。
しかし、まだコストが高く、手術費用は30万円を超える事もあり、場合によっては衝撃でレンズがずれる事もあるようです。
なお、いぬはひとほど視力に頼っていないので、白内障で視力が低下したとしても実際の生活で大きな問題がなければ、内科治療だけにとどまる事が一般的です。
「先天性白内障」や「若年性白内障」は、遺伝による事が多く、場合によっては前途のように手術で人口レンズに入れ替えます。
目をこする、目ヤニが出る
いぬが目をこするのは、炎症を自覚していて気になるからですが、「こすらない=炎症がない」ということではありませんので注意してください。
目ヤニは、涙が多く出ている「半透明〜こげ茶」の目ヤニと、膿が主体の「黄色」の目ヤニがあります。
ほこりに弱かったりしていつも涙が多く、半透明〜こげ茶の目ヤニがつく程度なら、積極的に根治を目指す必要はありませんが、膿が主体の黄色の目ヤニは感染が起きている証拠です。
放置してひどくなるほど治療は難しくなるので、獣医に顕微鏡で目ヤニを調べてもらいましょう。
白目が黄色い、充血している
めったにないことですが、溶血や肝臓障害によって黄疸を起こすと白目が黄色くなります。
わかりやすいので「あれ、白目が黄色い?」と思ったら、獣医に相談してください。
なお、いぬの目が充血していると感じたとき、その多くは心配ありません。
いぬの目は人の目に比べて血管が多く、自然な状態でも充血を間違えやすいものです。
普段の目の赤さを覚えておくか、デジカメのマクロ機能などで撮影しておき、たまに見比べてるといいでしょう。
なお、目の充血は目そのものの病気ではなく、全身の病気の兆候としてでる事があります。
まぶたがめくれている、まぶたの形がおかしい
まぶたのふちには分泌線が点在しており、これが炎症を起こすと、いわゆる「ものもらい」になります。
炎症の位置が深く、はれがひどいと、まぶたが持ち上がるように変形する事もあり、外気にさらされてさらにひどくなります。
タレ目の洋犬は、下のまぶたが常にまくれ気味なので、そこにほこりや細菌が入りやすくなっています。
そのため、普段から涙腺の補充するための点眼をしなければならない事もあります。
人のドライアイといっしょですね。
まぶたは、悪性腫瘍もたまにできる場所です。
まぶたが巻き込まれている
まぶたのふちは、ふつうの外皮と目の粘膜(結膜)の境目です。
まぶたの巻き込みは主に先天性ですが、まぶたが内側に巻き込まれると、硬い皮膚やまぶたの毛が眼球を刺激します。
そして眼球が傷つくと、慢性の炎症を起こします。
軽度であればまめな毛抜きと点眼でしのぎますが、ひどければ手術が必要となります。
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