犬が痩せる4つの原因と対策!今すぐ出来る「痩せすぎ」チェック

犬が痩せる4つの原因と対策!今すぐ出来る「痩せすぎ」チェック

「飽食の時代」と言われる現在は、肥満犬が増えていますが、その一方で拒食症患者のようにガリガリに痩せてしまっているいぬもいます。痩せているかどうかを確認するには、触ってみるのが一番です。チェックポイントは背中と脇腹の2カ所。

犬が痩せる4つの主な原因

触ってすぐに背骨と肋骨の感触があったら、痩せ過ぎです。危険なのは、飼い主のほとんどが、「痩せてきた」と言う理由で病院へ行かない事です。
それは、「太るよりはいい」と考えてしまいがちな事と、少しずつ痩せると気がつきにくい、と言う理由が挙げられます。
多くの場合は、飼い主が人のいきすぎたダイエットをペットにも当てはめていたり、漠然と肥満を恐れるあまり、ドッグフードを減らしすぎたりしているケースです、飼い主さんがいぬの体重コントロールに失敗しているのです。

専門用語では「削痩(さくそう)」といいます。飼い主のドッグフードの与え方に問題がある場合は、基本的にドッグフードを増やせば解決です。しかし、そのような心当たりがない場合、いぬの体になんらかの異常が潜んでいると考えられます。

考えられる主な要因は、下記の4点です。
①栄養を消化、吸収できていない
②栄養をうまく使えていない
③栄養を腫瘍に取られている
④栄養がどこかで失われている

①栄養を消化、吸収できていない

「消化」と「吸収」とは別のものです。

食べたものは唾液、胃液、膵液、胆汁によって消化され、おもに小腸から吸収されます。しかし、消化の過程で消化液の分泌不全などが発生していると食べたものを消化できないので、吸収の能力が正常でも吸収されずに流れていってしまいます。
また、逆に腸の粘膜になにか以上があって吸収できない場合は、せっかく消化された食べ物が吸収されずに、そのまま流れてしまいます。

このような状態の場合、たいていは下痢を起こすのですが、なかには一見ふつうの便をするいぬもおり、消化酵素の検査をして初めて分かる事もあります。ただし、消化不良は「消化酵素材」を飲ませて補うことで劇的に改善します。
対して消化不良は、超粘膜の炎症や変性によるものが多く、慢性的なものだとなかなか治らない場合もあります。吸収不良の場合、手術で腸の一部を採取して、病理検査に送って初めて、そこに原因があると判断する事もあります。

②栄養をうまく使えていない

腸で吸収された栄養素は「門脈」という血管を通り、肝臓で処理されます。肝臓は栄養素を合成して、タンパク質やいろいろな物質をつくっています。
そして肝臓でつくられた色々な物質が、再度血液に乗せられて全身へ運ばれ、利用されます。肝臓の機能に問題があると、その処理がとどこおってしまい、体の各所で栄養が不足してしまうのです。

ちなみに脂肪分は血液ではなくリンパ液に乗って運ばれ、別ルートから静脈に合流します。よく見られるのは肝臓がん、肝臓の先天的な機能障害、高齢化などによるゆるやかな肝臓の機能低下です。

そのほか、門脈や肝臓血管の走行ルートの異常により、未処理のまま血液が通過してしまう病気もたまにあります。肝臓がんは、端のほうにだけできているときは切除できますが、たいていの場合は、肝臓全体に分布しており、手の施しようがない事が多いです。

また、加齢による肝臓機能のゆるやかな低下は避けられませんが、サプリメントを利用したり、肝臓に配慮した食餌を与えたりすることで、ある程度改善を見込めます。

③栄養を腫瘍に取られている

多くの場合、腫瘍はカロリーを多く使います。特にぶどう糖を多く消費しますので、食餌のカロリーバランスをタンパク質と脂肪に傾けて、糖質を多く含む炭水化物の配合比率を減らす必要があります。
処方食の中にはこのような状態に合わせて調合されたものがあるので、かかりつけの獣医と相談のうえ、利用するのも手です。
効果をすぐに実感できる性質の対処法はありませんが、手術や抗がん剤による根本治療が不調な場合の支持治療として用いられています。

④栄養がどこかで失われている

動物の体の「出口」といえば、尿と便です。つまり、腎臓に重大な問題があってタンパク質が漏れだしているか(ネフローゼ症候群といいます)、「タンパク漏出性腸炎」による損失が疑われます。
どちらも治療は難しく、なかでも明確な原因を特定できない「特発性」と分類されるものは、良質な栄養補給と支持治療だけになります。
腸炎は、うまく原因を解決できれば回復に向かいますが、そうでない場合は衰弱の一途をたどります。

以上のように「心当たりがないのにやせてくる」のは、非常に危険な兆候です。
歳を取った老犬が、年相応にやつれてくるのは仕方ありませんが、そうでない場合は要注意です。
普段与えているドッグフードのパッケージには、体重あたりの摂食量が書いてあります。

その範囲で少し多めに与えて、体重が増えればOKです。

食餌の不足以外でいぬがやせたら要注意

痩せる理由 対応策
栄養を消化、吸収できていない 消化酵素材の投与
栄養をうまく使えていない サプリメントの投与、食事療法
栄養を腫瘍に取られている 食事療法、抗がん剤、手術
栄養がどこかで失われている 栄養補給などの支持治療

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