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いぬはもともと頻繁に「ハァ、ハァ」と舌を出して呼吸しますが、子犬で多いのは「犬パラインフルエンザ(ケンネルコフ)」と呼ばれる病気です。
鼻から気管にかけてひどい炎症を起こし、呼吸困難に陥ります。
たんがのどの奥で絡んでいるような「グフゥ、グフゥ」という、くづもった呼吸から始まり、激しい咳とそれに誘発されるおう吐へ移行します。
吐いたものを吸い込むなどして急に悪化する事もあります。
犬パラインフルエンザは食欲低下を起こしやすく、エネルギーを必要とする幼弱犬が、あっというまに衰弱して死亡することもめずらしくありません。
成犬は滅多にそこまでひどくなりませんが、子犬は本当にすぐに弱りますので、すぐに治療を受けてください。
よく似た初期症状を示す病気に「犬ジステンパー」があります。
犬ジステンパーは、病院でウイルスを検査すると分かります。
多くの場合、飼い主が「いぬの風邪がなかなか治らない」「病状がずいぶん激しい」と感じて来院します。
犬ジステンパーが進行すると、痙攣や眼球の異常などの特徴的な症状が現れてきます。
しかしこの段階になると、ほぼ助かりません。
早期から全力で治療を行ってた助かったとしても、神経系に後遺症が残る可能性もあります。
ちなみにどちらもワクチンの予防接種で防げます。
成犬に多い呼吸器系の病気には「気管虚脱」があげられます。
この病気は肥満の小型〜中型犬によく見られるのですが、気管を丸く支えている軟骨と膜が変形してしまい、空気の通りが悪くなって呼吸困難を起こします。
気管虚脱は、投薬で治療しますが、重度のものは最終的に呼吸困難で衰弱死してしまいます。
予防法としては、ダイエットの他、首輪による圧迫を避けて胴輪にするなどの生活改善、治療方としては早期からの投薬で、かなり悪化を食い止められます。
発見次第、治療を行いましょう。
現在、手術で整形する治療が試みられていますが、一歩間違うと気管が壊死してそのまま死亡につながるため難易度が高く、実用レベルでの施術が出来る病院はまだ少数です。
呼吸がおかしくなるその他にケース
いぬが外でケンカをした時に胸部をかまれ、最近が肺の近くに入り込んで化膿している事があります。
散歩中、ほかのいぬとトラブルになり外傷がある場合は要注意です。
また、食べたゴミが喉に引っかかってむせてしまい、吐いたはずみでゴミが鼻に移動してしまって呼吸が乱れてしまうケースもあります。
その他、「胸水」(肋骨で囲まれた旨の空間と廃の間に液体がたまり、廃がしぼんで空気が吸えなくなる)や「肺水腫」(肺の中に水分が染み出してきて空気を吸えなくなる)、「肺炎」「腫瘍」などもあります。
肺水腫は心臓疾患の末期によく現れますが、これは普段の診察をきちんと受けていれば、ひどくなる前に判明して治療に入れているはずです。
検査・治療をせずに、心臓がひどく悪くなってから咳き込み始めた場合はかなりの末期であり、長期の生存は期待できません。
また、肺の腫瘍は、人の場合でも発見が遅れがちなぐらいで、かなり大きくならないと呼吸の異常を起こしません。
肺全体に細かく転移している事が多く、手術による摘出も難しい事がほとんどです。
このように、呼吸器系の病気は初期症状がつかみにくく、悪性のものだと発見時には、すでに手遅れという傾向が見られます。
中高年とすぎたら、定期診断をうけつつ、普段からよく様子を見ておいてください。
なお、多くのいぬは動物病院に来ると興奮もしくは緊張により、リラックスした普通の呼吸をしていません。
外から見た呼吸の様子と胸部レントゲン、心音の聴診を手がかりに調べていきますが、手がかりは多い方がいいので、来院する前に、家での平静状態での様子を普段から観察し、診察のとき説明できるように飼い主も務めましょう。
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