予防接種の費用は高い？安い？

飼い主の中には、注射一発で終わる予防接種の費用が「高いのでは？」と感じる人が多いようです。
確かに、予防接種をはじめとする「予防医療」は、比較的手間がかからずにコスト面で有利なので、病院の収入を支えています。

 

しかし、病院には難しい病気をかかえたいぬも多数来院します。
そして難しい病気になるほど、必要な設備、消耗品の量、スタッフの人数、診察時間、治療時間を必要とします。

 

1人の獣医が、重病のいぬをつきっきりでケアした場合、その獣医は、その日1日、他の仕事を全く出来ないこともあります。
この場合、かかる費用は「日数×数万円」になるのですが、実際のところ、多くの動物病院ではもっと安くしているのが現状です。

 

つまり、多くの動物病院のビジネスモデルは重病のいぬにかかる費用を、日々の予防接種で得たお金で補っているということなのです。

 

いわば「共済保険」のようなものです。

 

仮に、ある病院に予防接種で来院する飼い主がまったくこず、重病のいぬを抱えた飼い主ばかりが来た場合、おそらく廃院に追い込まれるでしょう。

重病例を専門に診る高度な医療病院もありますが、費用をかなり高額に設定しているケースがほとんどです。

 

 

近年予防接種の費用は少しずつ下がっています。
動物病院同士の競争が激しくなり、費用を下げないと患者を確保できないからです。
また、予防接種は、個体によって効き具合が違うため、現在は年1回が基本です。
今後は間隔が伸びるかもしれません。
そうすれば、動物病院の予防接種で得られる収入も減ってしまいます。

 

 

そういう面も踏まえて、予防接種の費用が高いか安いかを考えてみてはいかがでしょうか？