「アポロ」はアメリカ・ワシントン州内で捨てられていたピットブル犬で、”凶暴”というイメージからか、本質を見ることなく敬遠されがちな犬種でもあり、アポロも保護されたシェルターで新しい家族が見つけられないまま、6ヶ月もの月日を過ごしていました。
元気いっぱいのアポロの命の期限が迫っていたところ、シェルターのスタッフが連絡をしたのは、ワシントン州内で麻薬探知犬の訓練をしているトレーナーでした。
「アポロに麻薬探知犬の素質があるかを見て欲しい」
こう言われたトレーナーは、アポロにいくつかの訓練を実施し、その結果「立派な麻薬探知犬になれるかもしれない」とし、アポロを引き取ったのです。
DOC(矯正局)内にある犬舍にて、アポロは彼を相棒に選んでくれる警察官の登場を待つことになります。
しかし、アポロを相棒に選んでくれる警察官はなかなか現れなかったのです。ここでもアポロの「ピットブル」という犬種が足枷となったのでdす。
タックウィラ警察署から電話がかかってくるまで、およそ12ヶ月もアポロは相棒を待ち続けたのでした。
タックウィラ警察署がDOCに麻薬探知犬について問い合わせの電話をしたのは、昨年の夏。電話を受けたトレーナーは「もしチャンスさえもらえれば、訓練で一番の成績を収めるはず」とアポロを紹介したのでした。
そして、タックウィラ警察署は、そのチャンスをアポロに与えることにしました。
そんな、タックウィラ警察署の判断をアポロは裏切りませんでした。
昨年の11月。彼は一番の成績で麻薬探知犬の訓練を修了したのです。とてもフレンドリーで訓練を通した仲間とのコミニケーションを楽しんでいたそうです。
そんなアポロは現在、タックウィラ警察署の一員として相棒の家でともに暮らしています。
タックウィラ警察署は5月23日「新人警察犬のアポロを紹介します」という内容とこれまでのいきさつを写真とともにFacebookに投稿。
すると1週間もしない間に3万人以上がリアクションし、2万件を超えるシェアを受けました。
「ステキなお話」「ピットブルに偏見を持たないでくれてありがとう」「かわいいワンコね」「ほかの警察署も後に続くといいけど」などのコメントも多く寄せられ、どれも温かい言葉ばかりでした。
あまりにも大きな反響によって、警察官がアポロを市民と触れ合うためにイベントに招待。その時の様子がこちら。
あまりにも大きな反響に驚いたタックウィラ警察署は、5月24日に予定されていた市民と警察官との触れ合いイベントにアポロも招待しました。
その時の様子がこちら。
この動画を見た人からは「小さくて見知らぬヒトのために床に転がれるなんて感動的」「悪い印象の原因は、犬種じゃなくてオーナーだよね」など、アポロの素質に関心したコメントが寄せられています。
アポロのことを投稿してから、アポロのために防弾チョッキを提供してくれる団体も現れました。その他にも、感謝の声や支援の申し出が相次いでいるそうです。
タックウィラ警察署は5月27日に改めてアポロについてこんな思いをFacebookに投稿しました。
アポロと私たちのような法執行機関で働く人間とは、いろいろな共通点があります
その今日つテントは、制服やバッヂの向こう側にいる人間をなかなか見てもらえないことだそうで、過去の警察官がしてきた間違いによるレッテルと感じているからこそ、同じように悪いレッテルと貼られているアポロに「チャンスを与えたい」と思ったのだそうです。
タックウィラ警察署はこうコメントしています。
「アポロをチームの一員に、多様性に富んだタックウィラのコミュニティの一員にできてよかった」
参照元:Facebook