3月16日。その日、14歳のキャニオン・マンスフィールド君とその愛犬の3歳のラブラドールレトリバーの「ケーシー」が外で遊んでいたときの事です。
彼らが自宅裏の丘を上ったところに足を踏み入れると、見慣れないオレンジ色のスプリンクラーのような物を発見しました。
不思議に思ったキャニオン君はそれに触れてみたのです。
たったこれだけの行為が恐ろしい事態を引き起こしてしまいました。
キャニオン君がそれに触れた瞬間、突然警告音のようなものが鳴り、オレンジ色のガスが噴射し始めました。
それはキャニオン君の左目と衣服に吹きかかったのです。よくわからぬものが吹きかかり、恐ろしくなったキャニオン君はとっさに近くの雪で目と服を洗うように拭いました。
そして、ケーシーを連れて逃げようとすると、ケーシーは既に倒れてその瞳からは光が消え、口からは赤い泡を吹いていたと言います。
何が起こったのか分からないキャニオン君は急いで丘を下り、自宅にいる母親に助けを求めました。
そして、すぐに母親とキャニオン君はケーシーの元に駆け寄りました。
キャニオン君と母親はケーシーのもとへと戻った時には、すでに息を引き取った後でした。
すぐに連絡を入れた警察と、医師であるキャニオン君の父親が駆けつけてもその正体は分かりません。ケーシーの蘇生を行うも、助かる事はありませんでした。
のちに様々な機関の人たちが訪れ、それが何であるか判明。その装置の名前は「M-44」というアメリカ政府の農務省が設置したものだと言うことが分かりました。
そして、この装置から噴射されたものは有毒であり、ごく少量で人を死に至らしめる「シアン化物」だった事が判明します。
この装置はコヨーテなどを殺すために設置されたもののようなのですが、そこにそんな恐ろしいものがある事は、近隣住民らもその地域を管轄する保安官らも知らなかったと言います。
農務省が設置しそこらだけで情報共有は終わり、他の人たちには何も通知されていなかったのです。
シアン化物の処理方法がないため、シアン化物を含んだキャニオン君の衣類は現在、ビニール袋に入れられ厳重に管理されているそうです。
キャニオン君はと言うと、あの時のとっさの判断で雪を使ったことが功を奏したのか、幸いなことに今も命があります。
農務省からは「今後の危険性を考え様々な事を見直したり検討する必要がある」という旨のコメントを出していますが、謝罪の言葉は出ていないといいます。
参照元:eastidahonews