恋人や夫婦の別れに巻き込まれてしまう、子供やペットたち。
生後3ヶ月の「エラ」も、カップルの破局の犠牲になった子犬です。元の飼い主は、ロンドン在住の若いカップル。子犬は男性から女性への贈り物でした。
エラを飼い始めて間もなく、ふたりに破局が訪れます。ふたりにとっても別れは予想外だったのでしょうが、エラにとってもまさに晴天の霹靂。
こうしてエラは男性によって動物保護団体「The Mayhew Animal Home」に持ち込まれました。信じられないことに、その男性だけでなく、恋人もエラを飼えないというのです。
職員は男性に思いとどまるよう説得に試みます。その当時、シェルターはすでに過密状態にあったのです。その理由は、クリスマスの後に、飼い主によって不要とみなされた犬たちが大勢持ち込まれたから。
一見、男性は心変わりしたかのように思えましたが、The Mayhew Animal Homeが子犬の引き取りに消極的だと感じた男性は、思いもよらない行動に出たのです。
通りに出て、道ゆく人に子犬を売ろうとし始めたのです。驚いた職員は収容スペースが不足しているにも関わらず、直ちに子犬を引き取ることにしました。
シェルターで動物副市長として働くゾーイ・エドワーズさんは、この件についてこう話しています。
「路上で子犬を売ろうとするなんて、言語道断。無責任にもほどがあります。しかし、残念ながら、このようなケースは決して珍しいことではないのです。」
どうシェルターに破局や離婚が原因で盛り込まれた動物たちは、去年だけで26匹にもなるそうです。そしてゾーイさんはこう続けます。
「わたしたちに事前に相談もなくまったく健康な犬猫が捨てられるということは、緊急な援助を要する犬猫の保護の大きな妨げになるのです。」
エラはその後、すぐに新しい飼い主が見つかりました。エラを引き取ったのはティナ・ハリスさんという女性。
ティナさんはエラに「ピッパ」という新しい名前をつけ家族の一員として大切にしているそうです。
そして、ゾーイさんは今後ペットを飼うことを考えている人たちにこう注意喚起しています。
「新しいペットを迎えるさいは、責任を持って最後まで世話が出来るか、長い目で熟考するべきです。加えて、金儲けしか頭にないような悪徳ブリーダーからの子犬の入手は避けるべきでしょう。無責任なブリーダーは肉体的・金銭的に生涯に渡って動物の世話が可能かどうかを、購入希望者には尋ねることすらしません。」
参照元:thedodo