写真に写るの犬の名前は「ボズザ」。2006年からアメリカ軍と協力して、いろんな戦地での爆発捜索をする役目を担っていました。
イラク、キルギス、クウェイトなどでいち早く爆発物を発見し、それによって多くの人の命を救ってきたといいます。
そんなボズザが活躍し始めた当初は、まだ関わりがなかったものの、2012年から関わりを持ち仲良く共に仕事をしていたのがカイル・スミスさん。
彼らはあっという間に他の人たち以上の関係を築いていきました。
そんなボズザは長年のお勤めを終え、引退する日が来た時、スミスさんは迷う事なく「ボズザを引き取りたい」と名乗り出ました。
そして引退したその足で、ボズザが帰ったのはスミスさんの家でした。
ふたりはすでに軍の誰もが認める仲。スミスさんとボズザは、なるべくして家族になったのかもしれません。それからは仕事の仲ではなく、自宅でふたりの絆は育まれていきました。
ボズザは優秀な仕事ぶりだったこともあって、自宅内でもとっても忠実でいい子だったそうです。
しかし、スミスさんとボズザの楽しい毎日はそう長くは続きませんでした。
2016年の夏。ボズザは犬の脊髄に影響を及ぼす進行性の難治性疾患である、変性性脊髄症と診断されたのです。
徐々に後ろ足がうまく動かせなくなり、立ち上がることがやっとで歩く事はほぼできなくなりました。体にはなるべくストレスをかけないようにしなければならない中で、トイレをどのようにさせてあげるかが毎日の課題だったと言います。
自分の体が思うように動かず、そして日に日に辛くなる体は自分たちに置き換えてもとても辛いものがあります。
スミスさんもその病気について、どれ程の痛みがボズザを襲っているのかを学んだ時に、ペットを飼う人が避けたい、スミスさん自身も今現在も決しては望んではいない「苦渋の決断」を下しました。
その日、スミスさんは同僚ら9人と共に、ボズザを連れてある施設にやって来ました。そして少しでも快適にと考え、床に毛布を敷いて、その上にボズザを横たわらせたのです。
スミスさんはボズザの安楽死を決断したのです。難病指定のこの病を治す術はほとんどなく、今現在でも相当辛く痛い体がこれから先ボズザにどれほどの苦しみを与えるかを考え、学んだ上での苦渋の決断でした。
ボズザはひどい痛みに襲われていたにも関わらず、最後に息を引き取った時はとても安らかで幸せな表情をしていたといいます。
参照元:thedodo