動物シェルターで犬たちの散歩のボランティアをしていたケイラ・フィルーンさんは、初めて出会った瞬間に「ラス」が運命の犬と直感しました。
ですが、ラスの残された時間は残りわずかだったのです。
彼は4歳の迷子犬でした。痩せこけてボロボロで風邪気味で、尻尾や耳の毛は無くなっていました。しかし、性格は穏やかで、吠えて騒ぐこともなく、静かにケイラさんを見つめていました。
その瞳の奥には生来の人懐っこさと愛嬌が見てとれました。
とはいえ、仕事は予定通りやらなければいけません。この時点で彼女の心はもう決まっていました。それを確かめるためにも、ラスを外に連れ出したのです。
散歩は45分でしたが、最初の5分で予感は確信に変わりました、ラスは広い屋外でも離れることなく、彼女に身を寄せ、さらに「おすわり」や「待て」と言った基本的な動作を身につけており、飼い犬だった過去をうかがわせたのです。
かつて誰かに飼われていたラス。シェルターにたどり着いた背景にはどんな辛いことがあったのでしょうか。静かにたたずむラスの過去に思いを巡らせるうちに、つかの間の散歩の時間は終わってしまいました。
ケイラさんはラスを連れ帰りたい衝動を抑えながらシェルターに戻しました。彼女はまず母親に連絡し、明日ラスを引き取ると宣言します。
母親は散歩した犬とすぐに子犬落ちる娘の話を本気にしていませんでしたが、それでもOKと言ったそうです。
犬を引き取りにはそれなりの覚悟や準備が必要で、さすがに当日というわけにはいきません。しかし、急がなければならなかったのです。
その理由は、
その理由は、この施設ではやむなく15匹の犬たちを安楽死させるということが決まっていました。特にラスのように弱って病気の犬が選ばれる確率が高かったのです。
そして翌日。今日こそは!と気合を入れた彼女はすぐにシェルターに行き、ラスに面会すると早速、里親の手続きを終えました。
そして、ラスを車に乗せ、一緒に家に帰ったのです。
家に着いたラスは彼女のルームメイトにも気に入られました。彼はシェルター特有の風邪を患っていたため、一旦は静養し回復しながら新生活に慣れていました。
ラスは元気になると、常の抱っこの機会をうかがう甘えん坊になりました。ソファにいるケイラさんと離れて寝るのを嫌がり、仕方なく自分のベッドで横になりながら恨めしそうな視線を送ってくることもあるそうです。
彼らの姿はケイラさんの友人のFacebookを通じてシェアされ、そのエピソードはあっという間に人々の心を掴みました。
ケイラさんは一連の写真が、シェルターの犬を飼う人たちの後押しになることを心から望んでいます。
参照元:thedodo