オクサナとアレクサンダー・ウルゾウ夫妻は毛足が長い小さな愛犬「トリ」を連れて、その日、ロシアのコルツォヴォ国際空港から、休日を過ごすためドイツ・ハンブルグへ向かう予定でした。
しかし、犬の搭乗に必要な書類に不備が見つかり、航空会社社員に搭乗を拒否されてしまったのです。
通常なら、搭乗便や日程を変更したり、誰かに犬の面倒を見てもらうような手配をするところですが、この夫妻は信じられない行動に出たのです。
なんと、夫妻は犬をターミナルの外へ連れ出し、極寒の中、震える犬を置き去りにしたのです。
犬を置いてチェックインカウンターに戻ってきた夫妻は「犬を友人に預けてきたのだ」と職員に嘘の申告をします。そして、自分たちだけ飛行機に乗って飛び立ってしまったのです。
そして3日後。
可哀想なこの犬は3日後に凍死した状態で発見されました。ロシアの冬がどれだけ厳しいかは言うまでもありません。外の気温は-30℃にもなります。
さらに、犬が人の出入りが少ない場所で見捨てられたこと、夫妻がハンブルグに到着してから3日も経過した後に、犬の捜索願を出したことも、状況の悪化に拍車をかけたのです。
祖母宅で愛犬との再会を楽しみにして待っていた子供たちは、両親と一緒にハンブルグに来るはずだった愛犬がいないことに、ひどく取り乱したといいます。
『愛犬を探しています。薄いショウガ色がかかった白っぽい小型犬です。子供が泣き止みません。どなたか私たちを助けてくれませんか？罰金なら払います。』
このような文面でトリを探そうと試みた夫妻。しかし、残念ながらその頃にはトリは冷たくなっていました。
航空会社職員が犬を受け入れなかったために、犬を置き去りにせざるを得なかったと主張する夫妻。しかし、コルツォヴォ国際空港のスポークスマンは夫妻は空港職員に助けを求めるべきだったと厳しく批判しました。
「もしわれわれがこのことを知っていたら、少なくとも極寒の中で犬が死ぬことはなかったでしょう。ターミナルに近い場所やターミナル内であれば、犬は保護されていたはずです。」
トリの悲劇はイギリスのDaily MailやMetroでも大きく取り上げられる事態に発展。世界中から多くの批判の声が上がっています。
現在、夫妻はしかるべき制裁・処罰を受けるべきだとして、多くの署名が集まっています。
参照元：metro