インドに暮らすマドーパさんは夫と、そして5匹の保護犬たちを家族に迎え入れ、2人と5匹で暮らす大家族でした。
そんな彼女らに新たな家族ができることに。マドーパさんのお腹に新しい命が宿ったのです。
そんな家族にとっても周囲にとっても、非常に幸せなこと。しかし、いいことばかりではありませんでした。
マドーパさんの飼っている犬たちは、もともと保護犬たちでした。そんな犬たちを家族に迎え入れ、ずっと共に生活してきたマドーパさんたちにとっては掛け替えのない大切な家族。
しかし、その犬たちに対して周囲の人は妊娠を機にあまりいい顔をしなくなったのです。
ただでさえ大変な子育てなのに、大きな犬が5匹もいて、手間もお金も増えることになるし、犬たちが家のスペースを占領するだろうし、と周囲の目は冷ややかなものになってしまったのです。
しかし、マドーパさんにとって1人の赤ちゃんを迎え入れることで5匹を犠牲にするなんて全く考えられないことでした。愛情深い彼女にそんなこと想像すらできなかったのです。
その後。
その後、マドーパさんは「犬を手放すように」と言ってくれる人々とはあまり会話をする事がなくなったといいます。
マドーパさんの思いは、相手にまたく届いていないようだったからだそうです。
そんな周囲の反応もあって、マドーパさんと夫そして犬たちは記念撮影をすることにしました。
自分たちがこの子たちを一緒にいていかに幸せか、そして犬たちがどれほどいい子たちなのかを使えるためでもありました。
その証拠に、撮影された写真はどれも「幸せな家族」が滲み出ており、心なしか犬たちも妊娠している彼女を労っているかのような雰囲気さえ出ています。
確かに犬を5匹飼うということはただでさえ大変なこと。その点を心配する周囲の気持ちもわからなくもありません。
しかし、犬たちも生きています。飼うときに飼い主としても色んなことを考え、それでも寄り添うと覚悟を決めた上で家族になったのです。
それは妊娠したマドーパさんにとっても何も変わらない、揺るがない意思でした。
そして、妊娠後のマドーパさんの体調に変化が現れます。
妊娠してしばらく経つと、マドーオアさんは少し深刻な状況になったそうで、常に寝たきりの生活になってしまいました。
それでも犬たちはそっと寄り添い、生まれてくる赤ちゃんを楽しみにしてくれている様子だったといいます。
周囲の中にはこの寝たきりの状況を見て「ほら、言わんこっちゃない」と思う人もいるかもしれません。しかし、マドーパさんにとってはそんな状況だからこそ、常に側で気にかけてくれる犬たちの存在が心の大きな支えになったのだと語っています。
そして先日、マドーパさんは無事に出産。1人息子を授かりました。
犬たちもとっても楽しみにしていたのでしょう。気分はすっかり「お兄さん」なのか、マドーパさんが赤ちゃんを連れている時や、抱っこしている時など、まったく邪魔をしてこないでその場所を赤ちゃんに譲ってくれているのだそうです。
周囲の人たちの納得の声をもらうまでには時間がかかるかもしれません。それでもマドーパさんは「犬たちがいる事でマイナスな事なんてなかった」「むしろ大きな支えになった掛け替えのない存在だ」という姿を証明し続けるつもりだそうです。
参照元：thedodo