うつむきながらもしっかりと座り、そして何かを感じているかのようにも見える犬の「チェーザー」。
この日は、飼い主のメフメットさんの葬儀でした。チェーザーが座り込んでいるのは彼の棺の前。
79歳だったメフメットさんは病に倒れ、そしてその病に勝てずこの世を去ってしまいました。
チェーザーを預かっていたアリさんは自身の父が息を引き取るその日、いつもと違う様子のチェーザーにどことなく気づいていました。
チェーザーはその日、いつも以上に食欲がなかったという。何かを感じていたのでしょうか。
「死」というものを理解しているのでしょうか。どちらにしてもずっと一緒にいた大切な人が急にいなくなってしまい、心に穴が開かないはずがありません。
写真からヒシヒシと伝わるその切なさに胸が締め付けられます。
そして、葬儀が終わると。
そして、葬儀が終わってからは、そのまま息子のアリさんの元で暮らすことになったチェーザーでしたが、毎日午前中に家を抜け出しどこかへ、いなくなるようになったといいます。
そして、ついて行ってみると。そこはメフメットさんのお墓。
葬儀の最初から最後まで参列したチェーザーはしっかりとそこにメフメットさんが眠っていることはわかっています。
アリさんは、いつ終わるかもわからない毎日のお墓まいりを静かに見守っています。
きっと他の誰にも話からないほど、深く刻み込まれていた絆がそこにはあり、それ故その悲しさも計り知れません。
毎日足しげくお墓に通うことによって、その傷がいつか癒されるかもわからない。けれども、その思いはアリさんと共に亡くなったメフメットさんには届いているでしょう。
参照元:thedodo