ある寒い日。どんよりとした曇り空の中、犬たちのためのボランティア活動をしているレスリーさんは捨てられたペットたちがいる場所へといつものように足を運びました。
テキサスのダラスの市街地から離れた、手つかずの自然が残る地域に、野良犬たちは住んでいます。
その犬はとても静かで身動きひとつしません。レスリーさんがもし、以前来た時に置いておいた木箱に腰掛けなかったら、その存在に気づかなかったかもしれません。
その犬は凍えて、そしてひどい怪我をしていました。
彼の足にあった切り傷は深く、頭まで腫れ上がっていて、レスリーさんは彼を見た途端、この犬が生き残る可能性も、その意思もないことを悟りました。
レスリーさんは、小さなブランケットが敷かれた箱の中で必死に暖を取ろうとするその犬に近づきました。
「彼にはもう自分の身体を動かす力さえ残っていませんでした。やっと頭を小さく上げることくらいしかできませんでした。完全に諦めているのがわかりました」
レスリーさんは振り返ります。
実はレスリーさんはこの地域で「The Underdog Project」という野良の動物たちにエサを与える団体のボランティアをしていたので、この犬のことは以前から知っていたのです。
「ベニー」というこの犬は野良犬になって数週間になります。レスリーさんは2歳前後のこのベニーを車まで運び獣医まで連れて行きました。
そこで足の切り傷は非常に深く、骨にまで至っていることが発覚しました。
現場には、この事態をじっと見守っているもう1匹の犬がいることにレスリーさんは気づきました。
この捨て犬たちのうろつく地には、ベニーの友達がいて、友達は彼をずっと見守っていたのでした。
1歳前後のラブラドールの「ベティー」は、その場を離れることなく、ずっとべニーを見つめていたのでした。
ベニーを獣医に連れて行った救助組は現場へと戻り、ベティーも車に乗せ連れて行くことに成功しました。
2匹の犬を無事に安全な場所に移動させたあとに、レスリーさんはレイリー最も手助けをしている犬たちを助ける団体「Rescue Dogs Rock NYC (RDRNYC)」に助けを要請します。
団体はベニーとベティーを引き取ることを約束し、「どんな犬でも絶対に守り通します」と代表のステイシーさんは言いました。
団体のはFacebookページには「来る日も来る日も、昼夜問わず、寒さの中で不安と痛みに耐え、箱の中にいたベニーを思うと胸が張り裂けそうです」と書いています。
獣医に連れて行ったとき、ベニーはかなり危ない状態にありましたが、その後ろ足の怪我は回復し、一時的に面倒を見る里親の元に引き取られました。
X線検査と血液検査を行い、脱水症状を防ぐために点滴を受けさせましたが、なぜベニーの頭が腫れ上がっているか原因は突き止められませんでした。
しかし、彼は可愛く愛らしい本来の性格を見せ始めたのです。
「ベニーは人懐こく、愛情に溢れ、おもちゃが大好きで、そして触られたり綺麗にされたりすることに一切抵抗を示さない、とても良い子です。」
こうレスリーさんは語ります。
ベティーはまだ人や新しい環境を怖がっているようですが、「ベニーとベティーが旅ができるようになったら、新しい飼い主に引き取ってもらうために2匹をニューヨークに連れて行く計画を立てています。」とステイシーさんは話してくれました。
参照元:thedodo