黒い体に足酒だけ真っ白な猫の「ミッテンズ」は、Brandon Flittonさんの家に暮らす猫でした。
家族みんなに愛され過ごしていた日々の中で、まさか永遠の別れを覚悟する日が突然来るなんて、誰も思ってもみませんでした。
その日、Brandon Flittonさんは所有しているボートの修理のために、家族を連れて自宅から65km先にあるアメリカ・ユタ州のソルトレイクシティに向かいました。
もちろんボートも持って行ったわけですが、実はミッテンズがそのボートに乗り込んでいるとは誰も気づいていなかったのです。
そして何も知らずに到着し、ボートを下ろそうとしたその時、ミッテンズが飛び出して来てそのまま逃走してしまったのです。
それには一家もびっくりして、急いで名前を呼んで探し回りましたが見つかりません。仕方なく、その日は帰らざるを得なくなりました。
ミッテンズにはマイクロチップが埋め込まれていました。もしどこかに保護されたらきっとすぐに連絡が来る。またすぐに会える。そう信じて一家は待ち続けました。
しかし、連絡も何もないまま1ヶ月が経ち、そして2ヶ月。さらに3ヶ月が経過したとき、一家はもうミッテンズには永遠に会うことはできないのだと諦めていました。
そして、さらに1ヶ月がたったある日。
ミッテンズがいなくなってしまって4ヶ月目のある日、自宅から東に32km行った地点の街でAlice Puleoさんという女性がやせ細った猫を保護しました。
その猫は飢えて痩せた上にボロボロの体。少し暴力を振るわれたような怪我もあったそうで、Puleoさんはすぐに獣医に連れて行くことにしました。そして検査を受けたことにより、その猫にマイクロチップがあることが判明します。
すぐにFlittonさん一家に連絡が入りました。もう二度と会うことはできないと思っていた愛猫が生きていて、また再開できると知った瞬間大喜び。急いで準備をして動物病院へ迎えに行きました。
ミッテンズがいなくなって誰より悲しんでいたのは14歳の娘であるAllisonちゃん。
彼女はミッテンズと再会するなり涙が溢れてきてしまいました。再会の喜びも、ずっと離れ離れだった寂しさも、これからまた一緒に居られる安心も、全てがその涙には詰まっていました。
そして無事に自分の家に帰ることができたミッテンズ。
実はミッテンズが行方不明になった場所から発見された街へは、大きな山を越えなければたどり着けない場所でした。
ミッテンズは自分の家に帰るために、知らない場所を必死に歩き続け、大きな山を越えて来たのです。
Flittonさん一家がミッテンズに会いたいと思っていたのと同じように、ミッテンズも家族に会いたくて必死に山を越えたのでしょう。
参照元:YouTube