ジェンさんという男性は、ある日、自宅で飼っている猫が寂しい思いをしないようにもう1匹猫を飼うことを思い立ち、猫の里親を募集するサイト「PetFinder」を開きました。
そのサイトには里親の迎えを待っている猫の写真がたくさん掲載されていましたが、そん中でも1匹の猫の写真がジェンさんの目に留まります。
その猫はヒゲが四方八方に伸びていて、他の猫とは違った雰囲気をしていました。そして、その猫の姿を見たジェンさんはこう思ったそうです。
「なんて愛らしい姿をした猫なんだろう。一度この目で直接見てみたい。」
その後、その猫が保護されている場所を確認すると、ジェンさんの自宅から施設まで車で約3時間で行ける距離だということがわかります。
そこでジェンさんはパートナーの女性と共にその日のうちに施設へと向かったのです。
そして3時間後、施設に到着するとボランティアの方が写真の猫を連れてきてくれました。その時、直接猫を見たジェンさんは可愛らしい猫に恋に落ちたそうです。
そしてジェンさんはその猫に「カイル」と名付け、すぐに手続きを済ませカイルを引き取ることにしました。
「私は初めてカイルに会ったとき、彼のかすれたような声とボサボサになった毛並みやひげを見て驚きましたが、同時にその愛らしい姿に心を奪われました。カイルは他にも歯が3本しかなかったり、爪がなかったり、耳が折れ曲がっていたりと様々な問題を抱えていましたが、私はそんな彼を守ってあげたいと感じたのです。」
こう話すジェンさん。
そして、施設を出る前にジェンさんはなぜカイルがこんな姿になっているのか施設の方に尋ねました。
するとカイルのつらく悲しい過去が明らかになったのです。
カイルは以前、30匹の猫と共に、ある飼い主の元で暮らしていました。その時、彼はお世話は全く受けず、小さなケージに中に入れられていたそうです。
そして、カイルは他の猫が虐待を受け、死んでいく姿を見ながら毎日怯えて暮らしていたのです。カイルが今のような姿になってしまったのは、劣悪な環境の中で暮らしていたのが原因だといいます。
ジェンさんはそんな、カイルを家に連れて帰ると、カイルが安心して暮らせるように毎日たくさんの愛情を注ぎました。するとカイルもそんなジェンさんや他の家族にも心を開き、甘えるようになったのです。
カイルがジェンさんと出会ってから6年が経過し、すっかり大きくなったカイルは今でも元気に暮らしています。