虐待、動物実験から生還した犬「シロ」が起こした奇跡!私たちが今考えるべきこと

虐待、動物実験から生還した犬「シロ」が起こした奇跡!私たちが今考えるべきこと

飼い主に捨てられ、保健所や動物管理事務所に引き取られた犬や猫はいったいどうなるのでしょうか。実は、こっそりと動物実験用に渡されていたという事実は、ほとんど知られることがありませんでした。

何十年もの間、全国で行われてきたこの悪習を大きく変えさせたのが、1990年12月におこった「シロ」をめぐる出来事でした。

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テレビや新聞などで反響となり、多くの人の署名が集まったことで、ついには平成18年全国で動物実験への払い下げはゼロとなりました。今回ご紹介するのは、そのきっかけとなった1匹の犬、「実験犬シロのねがい」の動画をご紹介します。

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飼い主に虐待されていたシロは、その後捨てられ、動物管理事務所に収容されたときは、まだ1歳くらいでした。犬たちを待ち受けているのはガス室での殺処分か動物実験への払い下げです。

そしてシロは都内の国立病院に実験用として1300円で引き取られ、すぐに脊髄神経を切断するという、とてもつらい手術を受けました。

この実験施設では、手術後、どんな手当もしてもらえないのです。手術後、体力が衰えている上にストレスなどからか、皮膚病にも感染し、このまま放置されてしまえば死んでしまう寸前にまでなっていたのです。シロを緊急保護して運んだ動物病院の獣医さんは、「安楽死」させた方がいいのではと、言うほどでした。なぜシロはこんな目にあわなければいけなかったのでしょうか?

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国立病院から保護した犬の中には、メリーというビーグル犬がいました。
メリーは最初から実験用に、実験施設で繁殖させられた犬です。メリーは1歳の頃、製薬会社でワクチンの実験に使われたのです。毒物に苦しめられましたが、なんとか打ち勝って生き延びたというのに、その後、外科手術の実験台にされるため、この病院に送られてきたのです。

メリーも、シロと同じく脊髄の切断手術を受けていたのです。しかし、実験をした医師が転勤したため、実験したことさえ忘れられ、5年間も小さなケージに入れられたままだったそうです。

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シロやメリーは、払い下げの廃止ばかりでなく、密室の中で行われる動物実験自体の無益さ、残酷さを社会に問いかけたのです。

ある日、動物保護ボランティアの人たちによって、瀕死の状態で保護されたシロは、その後あたたかい世話を受け、健康を回復することができました。実験の後遺症は残ったものの、白い毛が生えそろい、瞳も輝きを取り戻し見違えるように愛らしい犬になりました。

しかし、その幸せは長く続くことはなかったのです。12月24日、クリスマス・イブの夜でした。シロは実験室から生還してわずか1年で不慮の事故で亡くなってしまったのです。推定年齢わずか2歳というとても短い一生を終えたのでした。

シロの存在は、テレビや新聞などで大きな話題となり、毎年何万頭もの犬や猫たちを実験の苦しみから救い出す大きな力となったのです。そして平成17年末をもって動物実験への犬・猫の払い下げは全国的に廃止になったのです。

ハンカチぶんこ「実験犬シロのねがい」より―問われる動物実験

払い下げはゼロになりましたが、こうしている今もなお、シロやメリーのような犬たちが毎年何万となく、実験室の中でつらい苦しい目にあわされています。日本には、残酷で無意味な動物実験を監視して止めさせられる仕組みが、まだ何もありません。
声のない動物たちの訴えに耳を傾けてみましょう。そうすれば、これから私たちが何をしたらいいか、きっとわかるとおもいます。

– 出典 – NPO法人 地球生物会議(ALIVE)
実験犬シロのねがい

いかがでしたか?どうしても目をそらしてしまいたくなるような内容ではありますが、これらは全て実話で、実際に行われていた動物実験の話なのです。このような動物実験によって薬の安全性など立証されてきたことも事実です。

しかし、実験したことすら忘れられてしまう、そのような無意味な動物実験など決してあってはならないことです。1頭でも多くの動物が、このような残酷で悲しい思いから救われるためには、1人でも多くの人がこのような現状が今もあると言うことを認識することから始まるのかもしれません。

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