飼い主の死後、ずっと鎖に繋がれていた犬。鎖が足に絡まり、命を繋ぐため自ら噛みちぎる。

飼い主の死後、ずっと鎖に繋がれていた犬。鎖が足に絡まり、命を繋ぐため自ら噛みちぎる。

治安の悪い都市において、殺人事件は珍しいものではありません。しかし、飼い主が突然いなくなることは、共に暮らしている犬の生涯をも狂わせます。

メス犬の”トレイヤー”の飼い主も事件に巻き込まれて殺害され、残されたトレイヤーは鎖に繋がれたままの状態で生きることを余儀なくされてしまいました。

飼い主がいなくなった家の玄関下に繋がれたままのトレイヤーは、昼も夜も、真夏の暑い日も凍てつく冬の日も、ひとりぼっちで暮らす運命に。

近くの住民はトレイヤーにエサや水を与え、少しでも温かく過ごせるようにと、ゴミだらけで粗末な小屋の中に干し草を敷いてあげました。

しかし、トレイヤーには住民との接触以外に楽しみはなく、じわじわと不安と恐怖心に襲われていくのでした。

ひとりぼっちで暮らすトレイヤーに、さらなる悲劇が襲います。

ゴミだらけだった小屋の中で、ふとしたことから鎖が右前脚に絡んでしまったのです。

動けば動くほど鎖は脚に食い込んで、なにをどうやっても外れてくれません。

身動きが取れなくなったトレイヤーは、命をつなぐためにとうとう自らの脚を噛みちぎってしまいました。

彼女が経験したはずの痛みと恐怖心はどれほどのものだったのか、想像するだけでも胸が痛みます。

そしてようやく、トレイヤーが保護される日が訪れます。

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