飲酒運転が原因で車が大破するほどの事故に巻き込まれ重傷を負った男性は、その衝撃で2頭の愛犬のうち1頭を亡くし、もう1頭は行方がわからなくなるという出来事に見舞われました。
しかし地域住民の協力で発見され、このほど無事に再会を果たしたのです。
この被害者の男性は「周りに与える影響がどれだけ大きなものになるか、飲酒運転をする前にどうか考えてほしい」と語っています。
米コロラド州イーストベールで7月29日夜、飲酒運転のトラックがチャンス・パターソンさん(22歳)の車に激突しました。
この日のチャンスさんはチェーンレストラン「Larkburger(ラークバーガー)」で仕事が入っていたため、犬のデイケアセンター「Vail Doggie Day Spa&Lodging」に預けていた2頭の愛犬、ジャーマンシェパードの「カーリトス」とピットブルの「イジー」を迎えに行き、その帰りのことでした。
激しい事故で薄れ行く意識の中、チャンスさんはひたすら2頭のことを心配していて、助けに駆け寄った目撃者に犬の安否を尋ねると「ジャーマンシェパードは亡くなっている。もう1頭は見当たらない」という答えが返ってきたといいます。
駆け付けた救急隊員らは、潰れた車を切断しチャンスさんを救助、病院へと搬送。
チャンスさんは打ち身が激しく脚、肋骨、肘を骨折しており肺の一部が裂けているという重傷でした。
「僕の犬をどうか探してほしい」助けに駆け寄った男性にそう頼んでいたことを知った「Vail Doggie Day Spa&Lodging」の運営者ホリー・ウォルサーズさんは、地域住民らと協力してイジーを探し出すことにしました。
そして、数日後。
数日後、現場近くでイジーを見かけたという人が現れたものの、イジーは人が近寄ると走って隠れてしまい誰も捕まえることができませんでした。
そして事故から5日後、地元のサイクリストらからの情報でイジーの居場所が特定できたデイケアスタッフらはそこへ出向きます。
すると見覚えのある顔を見たイジーは、これ以上ないほど喜んでスタッフのもとへ駆け寄って来たそうです。
スタッフはすぐにチャンスさんに連絡。
チャンスさんは退院した数日後に、奇跡的にもつま先を捻挫しただけで済んだイジーと再会を果たしたのです。
イジーは飼い主の姿を見てちぎれんばかりに尻尾を振り飛びつきました。
「2頭とも失ったと思ったけれど、イジーが無事でとても嬉しい」とチャンスさんも喜びを露わにしました。
チャンスさんは車椅子の使用を必要としなくなるまで、イジーと共に友人宅に滞在する予定だといいます。
ホリーさんはこう語ります。
「イジーが見つかったことを連絡した時、チャンスさんはあまりの嬉しさに泣いていました。彼が心身ともに完全に回復するまで、長い道のりになることでしょう。でもイジーが彼のそばにいることができるので、本当に良かったと思います」
そしてチャンスさんはメディアのインタビューにこう話しました。
「飲酒運転をしていた女性ドライバーに怒りは感じていません。私も彼女も命を失わずに済んだということが何より大切なことなのです。飲酒運転によって失うものがいかに大きいか、どれだけ周りに影響を及ぼすかということを世間の人に伝えられたらと思います。飲酒運転をする前に、どうか今一度考えてほしい」
参照元:today