カミラ・ムラッチニーさんという女性が先週の月曜日、ブラジル・サンパウロ内を走るバスに乗っていた時のことでした。
ムラッチニーさんが乗った時、1人の男性の存在に気が付きました。黄色い服を着たその男性は、なんだか緊張しているような表情で、そして時折、周りを気にするような挙動不審さを感じたそうです。
そして、その男性の持っていた箱が動いているような気がしたのもあり、彼女は不信感を抱かずにはいられませんでした。
次第にハッキリ聞こえるようになる箱の物音。そして声。それと同時にどんどんムラッチニーさんは安心感を覚え、そして反対に男性は焦りの色が濃くなっていったそうです。
ムラッチニーさんは彼の行動を見ているうちに気付きました。彼は「この箱の中身が知られる事によりバスを追い出されるのでは」と不安だったのです。
箱を隠すかのように彼は立ち続けていました。そんな時、バスのチケットちぎりのスタッフが彼に声をかけました。
「その中にいるのは犬ですか?」
その問に、男性は隠すことなく穏やかな表情でこう答えます。
「はい、子犬がいます。私は彼が捨てられてたのを発見して連れて来たんです」
その返事を聞いたスタッフは彼を受け入れ、もちろんバスから下ろすようなことはしませんでした。周りの人も一部始終を見て安堵したことでしょう。
彼は追い出されないことがわかると安心した表情でバスの座席に座りました。
一部始終を見ていたムラッチニーさんはこう語りました。
「犬はまるで何年もの間男性に飼われ、彼の事を知っていたかのように尻尾を振っていました。とってもピュアな素敵な愛情。私は彼以外にもまだまだ世界には良い人がいると信じています」
参照元:thedodo