アメリカ・イリノイ州シカゴの街の一角で野良犬が保護団体の元へと連れてこられました。
「リズ」と名付けられたその犬は、伸びきった毛で前が見えない状態でした。それだけでも長い月日を野良犬として生活してきたことを物語っていますが、それ以上に彼女の体がこれまでの酷い生活を物語っていました。
こんなに伸びきってボサボサになった毛の上からもわかるくらいの体の細さ。体重はわずか1.8kg。この大きさの犬の平均体重は4~5kg程度。いったいどれほどの期間、飢えに苦しみギリギリの精神状態で生きてきたのでしょうか。
しかし、その毛を刈ると刈ると更に目を覆いたくなる姿が。
これまで、これほどまでにやせ細ってしまった犬を見たことがあるでしょうか。その姿は本当に生きている事が不思議な状態でした。
そして、リズの体の状態は。
歯、胃、筋肉、体のありとあらゆるものがボロボロのリズ。摂食障害に陥ったその体は、与えられた流動食も通常の分量の3分の1を1日1回接種するのがやっとの状態。
施設はそんなリズを全力でサポートしました。リズに生きる力がある限り、生きることを諦めない限り出来ることはなんでもしようと誓ったのです。
あの体の細さではもちろん筋力も全くと言っていいほどありません。なので、自分で身動きひとつとれないリズのリハビリも徐々に始まりました。
ゴム製のマットの上で、獣医の手を借りながら立ってみるリズ。1~2分持ちこたえるのがやっとでした。それでも、とても辛い中リズも頑張ってくれました。
保護からまだ4日。徐々に食事量や内容に変化をつけ、そして筋力もつけていく。時間はかかるでしょが、いずれ普通の犬のように過ごせるようになることが目標です。
そして、保護から6日が経過。
6日が経過し、日々少しでも流動食を口にしてもらっていたことにより、体重が0.5kg増となりました。まだあるべき体重までには程遠いものの、1.8kgしかなかった体重が+0.5kgになったのはとても大きなこと。
きっとリズの体も苦しかったでしょう。ですが、しっかり与えられたことを守ってくれるリズは、生きる希望を持って頑張っているのがわかります。
そしてその翌日。保護から1週間が経過した2月6日に嬉しい出来事が起こりました。
リズが自分の力で立ち上がり、1.5mもの距離を歩くことができたそうです。これは本当にすごいこと。
1日1日を必死に生きて、そのおかげでたったの1週間でここまで頑張ったリズ。施設のスタッフ・獣医たちも自分のことのように心の底から喜んだそうです。
参照元:lifewithdogs