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盲導犬に小型カメラを設置。そこに映し出されたのは人々から暴力を受け、耐える盲導犬の姿

盲導犬に小型カメラを設置。そこに映し出されたのは人々から暴力を受け、耐える盲導犬の姿

イギリス・ロンドンん住む元獣医師のアミット・パテルさんは2012年、結婚から1年半たったころ「円錐角膜症」という目の病気により視覚障がい者になりました。

遺伝的な要因が原因の1つとも言われているこの病気は、角膜移植によって視力を取り戻すこともできるのですが、彼は6回も手術を行ったにもかかわらず、相性が合わずに完全に視力を失ってしまいました。

彼は、これまでと違う道の状態に陥った際、とても重苦しい気持ちになり涙することもあったと言います。しかし、盲導犬の「キカ」を迎え入れた事によって社会との繋がりを失わずに済みました。

さらには赤信号に気が付かずに横断歩道を渡しかけたパテルさんを、盲導犬は自分の体を犠牲にしてまで交通事故から守ってくれたこともありました。

盲導犬はケガを負い、3日間は歩けない状態だったと言います。自らの目となり様々な危険を回避し、不安感をも払拭してくれる盲導犬。

目が見える人々が想像する以上に心強いパートナーであると同時に、自分の体の一部のような存在なのです。

キカのおかげで外出できるようになったパテルさんですが、街行く人たちは、自分たちを意識的にサポートする気は無く、逆に疎ましく思っていることを知ります。

ある時、通行人のカバンがキカの体にぶつかったり、見知らぬ女性から迷惑だと因縁をつけられ謝罪を迫られたりと、理不尽な出来事をたくさん経験しました。

視覚障がい者になって初めて知った社会の状況にショックを受けたパテルさんは、いったい盲導犬と自分に何が起きているのかを知るために、カメラに記録する事にしたのです。

パテルさんは、盲導犬のハーネスに小型カメラ「GoPro」を装着し、外出時の映像を撮り続けました。

そして、そこにはとても酷い光景が映っていました。

キカと外出した際の記録映像を妻のシーマさんが確認すると、本当に街の人々はまったく視覚障がい者に気配りをしていないことが判ったのです。

小型カメラは、人々の無関心さや疎ましく扱う様子をしっかりと記録していました。

乗車拒否をし走り去るタクシー。彼が日々利用する地下鉄で席を譲ろうともせずに平気で座席にカバンを置いている人たち。

そして驚くべき事に、小型カメラの映像には盲導犬をカバンや傘で叩く人や蹴り飛ばしている人が何人も映し出されていました。

しかも、危険なエスカレーターに乗っているときに叩かれていたのです。

障がい者が誤った判断をしたり驚いたりするため、盲導犬はこうした恐怖や痛みを感じても吠えたり鳴かないように訓練されています。

しかしキカはエスカレーターにパテルさんを誘導するのを嫌がるようになってしまいました。

「街は恐ろしい場所です。誰かがあなたをトラファルガー広場の真ん中に置き、あなたを取り囲んで『帰り道を探してください』と言ったようなものです。
公共の交通機関で移動する際は、まるで恐怖に打ちのめされた子どものような気持になるんです。身の危険を察知することや構内アナウンスを聞き逃せないので、イヤホンで音楽さえ愉しめないんです」

パテルさんはこう話します。

パテルさんとキカはBBCロンドンのインタビューを受け、こうした問題を取り上げてくれた事に感謝し、弱者への意識を是非とも高めてほしいと伝えました。

ニュースやツイートを見た多くの人は、人間として盲導犬や弱者に対してもっとやさしい気持ちで接し思いやりを持つことが大切だと発信しています。

参照元:metro

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