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元飼い主家族から「邪魔もの」扱いされ空き家に置き去りにされた犬。これまでの悲しい過去と現在。

元飼い主家族から「邪魔もの」扱いされ空き家に置き去りにされた犬。これまでの悲しい過去と現在。

アメリカのニューヨーク郊外の空き家でたった1匹で暮らす犬がいました。彼はジャーマンシェパードの血を引く犬で名前は「ハム」。

しかし、彼は野良犬ではなく飼い主が所有する空き家に置き去りにされたのです。

かつてハムは飼い主一家とともに暮らしていました。しかし、いつの間にか家族は彼を邪魔もの扱いするようになったのです。彼は家の中に毛を落とし、忙しい時でも散歩を要求する面倒なペットだったから。

そしてある日、ハムは飼い主が所有する空き家に置き去りにされたのです。

そんなハムの境遇を知った保護団体のスタッフは、世界で最も孤独な彼の物語を投稿し、里親探しを進めました。すると空き家の近所に住む動物好きな夫妻が名乗りを上げ、ハムを家族に迎えたのです。

新しい家族に囲まれて眠る最初の夜。

ハムは自分のいる場所を確かめるように何度も起き上がっていました。彼はリビングルームにある自分のベッドに横になりながら、時々頭を上げて、何度も自分の周囲をチェックしていたと言います。

そして周りに誰かいるのだとわかると、安心してまた眠りにつく。それは今でも続いています。

ハムのこうした妙な行動は彼のこれまでの環境を考えれば仕方のないことかもしれません。彼は空っぽの家に閉じ込められ、ひとりぼっちで過ごしていたのですから。

ハムの過去を知る動物福祉団体のリサ・ハートさんによると、以前空き家で暮らしていた頃のハムは窓のそばに座り、人々が通り過ぎるのをただひたすら眺めていたと言います。

ハートさんはハムの元飼い主から「ハムの引き取り手を見つけてくれないか」と相談をされていました。つまり見つからなければシェルター行きの選択肢しかないということです。

彼の境遇を知ったハートさんはできるだけ頻繁に空き家を訪問し、ハムを連れてよく散歩に出かけました。そして無人の家に帰る時間になるとハムはいつも鳴いたそうです。

こんなのは絶対間違っている。そう思っていたハートさんの所属団体に、ある日思いがけない連絡が入ります。

それはハムの物語に目をとめた動物好きの夫妻からの問い合わせの連絡でした。彼らはハムの空き家のそばに住んでいたのです。

彼を迎えたいと申し出た新しい家族は、動物福祉の弁護士であるニール・エイブラムソンさんと、彼の妻で獣医のエイミー・ロドリゲスさんとその子供たちでした。

彼らはマンハッタン郊外の家でありとあらゆる動物と暮らしていました。

夫妻はかねてから悲しい境遇にある動物たちの話を見聞きしていたものの、その情報の発信地はほとんどが遠すぎて現実に何もできないことに心を痛めていました。

しかし、ハムの場所は自分たちが住んでいる場所から車で20分ほどのところにあると知り、早速連絡を取ることにしたといいます。

ハムは広大な敷地に建つ新たな家と家族を手に入れました。

そこには、犬や猫だけではなく、ブタやニワトリ、亀にウサギ、さらにはオウムや馬までもおり、そのすべてが、かつて保護された過去を持っていました。

到着したハムは、積極的に動物たちと挨拶を交わし、4匹の犬の仲間たちからは熱烈な歓迎を受けました。8匹の猫たちからは遠巻きに品定めされ、オウムからは鼻をくちばしではさまれました。

はじめてみた馬には興味津々のハム。

新しい家で迎えた記念すべきはじめての夜。

ハムはひとりぼっちでないことを確認するように30分おきに目を覚まし、それは今でも続いています。

エイブラムソンさんは、彼の浅い眠りがいつか普通の睡眠になることを願っています。

参照元:thedodo

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