アメリカのインディアナ州のアニマルシェルターから引き取られた犬「アダム」。その、引き取られた先は地元で保護活動を行う「ラッキードッグ リトリートレスキュー」。
シェルターでは、アダムの皮膚業があまりにも深刻だったため、治療ではなく安楽死が予定されていました。
アダムの顔は赤く腫れ上がり、お尻から尻尾かの先まで被毛が抜け落ちていました。動物保護団体の創設者のロビン・ハーマンさんはアダムの様子を見て、ノミやダニの皮膚病だろうと感じたと言います。
動物保護団体と連携して保護犬の治療を行う動物病院「アニマルメディカルセンター」はアダムの皮膚病治療を開始。
しかし、数ヶ月経ってもアダムの皮膚病が回復に向かうことはなく、ハーマンさんは「やはり安楽死の道しかないのかもしれない」と感じ始めていました。
長年、犬の治療に携わってきた獣医をもってしてもアダムの皮膚病の原因はわかりませんでした。
しかし、アダムの治療を担当していたアンダーソン獣医は諦めることなく詳細な血液検査を行い、アダムが人間アレルギーを持っていることを突き止めたのです。
アダムが保護されてから4ヶ月のことでした。
アダムを苦しめていたアレルギー源は人間だけではなく、猫のフケやハエ、ゴキブリや昆虫の一部、食べ物ではクルミにアレルギー反応を示したのです。
アダムの治療をさらに効果的に行うため、アダムは、インディアナポリスにある動物の皮膚科学クリニックに定期的に通うことになります。
同病院のローリ・トンプソン博士の診断によって、アダムは「自己免疫不全」であることがわかり、それから本格的な治療が始まります。
自己免疫不全になると、免疫機能は自らの毛根すら異物と捉えてしまい、脱毛が止まりません。博士によれば犬が人間のフケに対してアレルギー反応を呈することはしばしばあるそうです。
それでも通常であれば、重度の皮膚病になることはないのですが、アダムの場合は加えて自己免疫不全に陥っていたため、皮膚病が悪化してしまったそうです。
本格的な治療を始めて3ヶ月が経ち、どんな犬種なのかの判別も難しかったアダムでしたは、ラブラドールのミックスとわかるまで回復。
アダムはラッキードッグ リトリートレスキューのスタッフの一人、ベス・ウェバーさんの家族に迎えられ、定期的に自己免疫不全の治療を受けています。
この病気は生涯投薬治療が必要とのことで、アメリカやイギリス、オーストラリアなど世界中からアダムの治療のために使って欲しいと寄付金が寄せられました。
こうして、原因が特定できなく安楽死の予定だったアダムですが、周りに多くの人たちによって原因が解明され、徐々に回復に向かっていったのです。
参照元:Facebook