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2016年8月。アメリカ南部のテキサス州ヒューストンで発見された老犬。ヒューストンの夏の気温は33度を超えることもあり、湿度も高く日陰がなければ人間も犬も耐えれる環境ではありません。
真夏の日差しが照りつける中、老犬は少しでも温度の低い場所を探し道路脇の草の上にたどり着いたのでしょう。
ガリガリの姿で横たわる老犬を発見した住人は「死んでいるだろう」と思いながら近づきました。すると、人間の気配を感じた老犬は少しだけ体を動かし、自分が生きていると必死に伝えてきたのです。
動物愛護団体の「Houston K911 Rescue」が現場に到着し、老犬にリードをつけて車まで誘導しようとしましたが、自力で立ち上がることもできないほど衰弱していました。
そして、スタッフによってこの老犬は「ワトソン」と名付けられすぐに動物病院に搬送されます。
ヒューストンには野良犬が多く、集団生活をしています。ワトソンはその群れに入ることすらできないほど弱っていたのです。
ワトソンは栄養失調に陥っているばかりか、歯の状態が悪く、ほとんど抜け落ちてしまっていました。そして、ダニの寄生による重度の疥癬が原因で皮膚は真っ赤にただれていました。そして、さらには犬糸状虫症と心臓病まで患っていたのです。
獣医によってワトソンは10歳程度ということがわかり、人間に飼育されていたものの、病気や老いによって捨てられた可能性があると推測しました。
里親に迎えてもらえる状態になるまではまだ時間が必要と判断した動物愛護団体のスタッフであるサマンサさんは、ワトソンを一時的に預かることにしました。
サマンサさんがワトソンを家に連れて行こうとするとワトソンは戸惑うばかりで、その場に立ちづくし、動こうとしません。
サマンサさんが何度も「家に入っていいのよ。大丈夫よ。おいで。」と声をかけてようやく、恐る恐るワトソンは玄関の中に入ることができました。
家に中で経験することすべてがワトソンにとって初めていった様子。そこには、強い日差しも、嫌な虫もいません。
柔らかく暖かい布団。人間と一緒に横になれるベッドやソファ。そして可愛らしいおもちゃ。何より、体を優しい眼差しで見つめながら撫でてくれるサマンサさんがいます。
こうしてサマンサさんの優しさに触れ少しずつ表情が柔らかくなったワトソン。
ワトソンの病状が落ち着いたら、生涯大切にしてくれる里親さんを探し始めるそうです。
参照元: Facebook
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