殺処分されるはずだった犬たちを3年間で250匹救った男性

殺処分されるはずだった犬たちを3年間で250匹救った男性

犬や猫などの動物の殺処分をなんとか止めたい、動物を救いたいと願っている人は多いと思います。ペットを飼っている方は自分の愛犬や愛猫と重ね合わせてやるせない気持ちになることもあるでのではないでしょうか。

しかし、殺処分されてしまう動物たちを1匹でも救うためにはどうしたらいいのか、実際に行動に移せる人は少ないと思います。

元米兵のシュテフェン・ボールドウィンさんは、自分から行動し活動を始めた数少ない一人です。腕にびっしり入ったタトゥーからは少しやんちゃそうなイメージが伝わってきますが、そこからは想像もできないほど真面目なボールドウィンさん。

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彼はアメリカのカリフォルニア州にあるホームレス救済センター内の動物保護施設で管理役員を務めています。そして、必要に応じて活動できるようにと、動物虐待のためのNPOを自ら設立してディレクターとして活動もしています。

彼は情熱的で冷静かつ人に気を遣える人でもあります。その原動力となっているのは彼の息子の存在でした。

「私が仕事のためのインスピレーションとモチベーションを毎日保てるのは、息子がいつも僕を呼んで「今日は何の動物を助けるのか」と聞いてくるからです。彼に何かを答えられるようにしておかなければと思っています」

こう答えるボールドウィンさん。

ボールドウィンさんは動物が直面しているひどい状況を見た時、嘆いたり考えたりせず、まずすぐに救助するための方法を考えて様々な取り組みを考えてきました。その一例を紹介します。

1.オハイオ州ではビット・ブル・テリアタイプの犬に対しての差別がひどい状況だったので、オハイオの地元の人たちと共同でピットブルの差別に対する政治活動委員会を立ち上げて活動を始めました。
2.犬に噛まれてケガをしてしまう人の多くは幼い子どもたち。犠牲になる子どもたちを少しでも減らしたい思いで、子どもたちのために犬から身を守るための安全学習教室を始めました。5人だけのクラスや2日間に渡って1000人の子どもたちを教える教室などを実施しました。
3.オハイオ州の農村部では、動物虐待防止を担当する人材が不足していたので、彼は虐待防止のためのサポートを提供する非営利団体を地域社会のために無償で設立し、サポートを行いました。
4.ボールドウィンさんは、警察に射殺された犬の数があまりに多いのを懸念していました。誰もこの問題に取り組んでいなかったので自分で始めることにしました。彼は、総合格闘技の元選手のゴードン・シェルさんと共同で地元警察のためのトレーニングプログラムを開発しました。ゴードンさんは人間が犬を殺さなくてすむための対処法として、犬が良くするボディランゲージを地元の警察官たちに教えたのです。ゴードンさんが飼っていた犬の「チェスティ」もこのトレーニングプログラムを支える存在でした。なぜなら、チェスティはゴードンさんが浮浪者として生活していた2012年に警察官に射殺されたからです。その悲しみをバネにゴードンさんは活動をしています。
5.ボールドウィンさんは動物保護施設でたくさんの犬が殺されていくのを目の当たりにしてきました。だから、彼は保護施設と協力して、スキルや対処法を学ぶ場を提供しながら犬たちを育成して飼い主を探す活動を個人的に始めました。

ひとつひとつが犬たちを思い犬と人とが共存できるように考えられたものです。そして、多くの人がボールドウィンさんの活動に感銘を受けます。

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犬とコミュニケーションを図る上で大事なのは、他の犬を気にすることなく犬の心を解放して安心感を持ってもらうこと。これは、犬への献身的な気持ちと忍耐力が必要な大変な仕事です。特にエネルギーが有り余っている若いピットブルピット・ブル・テリアタイプの犬ならより大変なこと。

ゆっくりゆっくり時間かけて、犬たちとの関係を築き上げ、いつ里親が引き取ってもいいようにゆっくりと彼の仲間にしていきます。

「この方法は驚異的な成功を見せました!この3年間で殺処分から250匹もの犬たちを助けることが出来たんです。この250匹のうちなんらかのトラブルで安楽死しなければならなかった犬はたったの3匹でした」

こう話すボールドウィンさん。

そしてある日。

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