中国のゴビ砂漠で行われたマラソン。6日間かけて約250kmを走るレースに1匹の犬が突如参加したと話題に。
2016年の6月に行われた「ゴビ・マーチ2016」。
レース中に突然現れた1匹の犬。レースを走っているランナーと一緒に走り始めます。
砂漠で開催されるマラソンに野良犬が乱入してくることは決して珍しいことではありません。「そのうちいなくなるだろう」と誰もが思っていました。
しかし、ランナーと一緒に走る犬は並走をやめようとしません。
そうこうしていると、この犬に観客や参加者、スタッフが愛着を持つように。砂漠で行われるレースでは貴重な食料や水分を分けてもらうことも。
Fantastic day-1st stage win of week,sprint finish across finish line. Dion overtook Iulian & Tommy, & Tito #racedog pic.twitter.com/48Y9vnZbp0
— Dion Leonard (@Oh_Yes_Please) 2016年6月21日
こうしていつしか大会の人気者になっていきました。
「この犬のおかげでランナーや関係者に不思議な一体感や思いやりが生まれたんだ」
こう話す大会関係者。
そして大会2日目。
この大会にスコットランドから参加していたディオン・レオナルドさん。大会2日目からこのワンコは、レオナルドさんの横をずっと並走するようになります。
走るペースについてこれないと思っていたレオナルドさんですが、ワンコは懸命にレオナルドさんのペースについていきます。
そして大会2日目が終わると、まるで「当然」かのようにこのワンコはレオナルドさんのテントに侵入し横で一緒に寝てしまうのです。
テントに外でもレオナルドさんのあとをつけるワンコ。
BringGobiHomeさん(@bringgobihome)が投稿した写真 –
「もう放っておくことなどできなかった。当然だよ。強い絆が生まれたんだ」
こう話すレオナルドさん。そしてこの犬に「ゴビ」と名付け、一緒に走り切ることを誓います。
大会3日目もレオナルドさんと完走するゴビ。この日、レース中に大きな川を渡る際に、遅れたゴビを抱きかかえ川を渡ったレオナルドさん。1位から3位へと落ちてしまいますが、後悔はしていないと語ります。
「正直に言うとゴビを待って運んでいるヒマはなかったんだけどね。絶対に見捨ててなんか行けないよ」
4日、5日目は天候に恵まれずに、ゴビは主催者の車で移動。そして最終日の6日目は天候に恵まれレース復帰。
もちろんゴールはレオナルドさんと一緒に。
BringGobiHomeさん(@bringgobihome)が投稿した写真 –
レオナルドさんはゴビをスコットランドに連れて帰り一緒に暮らすことを決意。
しかし、費用面などの問題から簡単にゴビをスコットランドに連れて帰ることはできません。そこで、レオナルドさんはクラウドファンディングで寄付を募ることにしたのです。
今現在、ゴビは中国に住む大会のスタッフの自宅で仮住いしています。資金が集まり次第、すぐにスコットランドへと引き取られるゴビ。早くその日が来るといいですね。