2015年9月17日、イスラエルからカナダに向かっていたエア・カナダ85便が、行き先を変更してドイツに緊急着陸する出来事がありました。緊急着陸の理由は、貨物室に預けられていた犬を救うためだったのです。
エア・カナダ85便はイスラエルからカナダのトロントに向かう途中、貨物室の暖房装置に問題が発生。その貨物室には、85便の乗客のジャーマン・コントロビッチさんが預けていた、7歳のフレンチブルドッグ「シンバ」がいたのです。
暖房装置の異常を知った機長はシンバの安全を気遣い、「このまま飛行を続ければ生命が脅かされる恐れもある」と考え、急遽行き先を変更、緊急着陸することを決断したのでした。
その後85便は、ドイツ・フランクフルトの空港に着陸。シンバは無事に別の便に乗り換え、再びカナダへ向けて出発しました。
85便には約75分の遅れが生じたことで、エア・カナダの広報は、「乗客の皆様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました」と話し、「犬の生命が危険にさらされる恐れがあり、今回の対応により安全が確保されたと」報告すると、好意的な反応だったと話しています。
飼い主のコントロビッチさんは、トロントの空港での取材で、「シンバは自分の子どものような存在で、機長の対応に大変感謝しています」と語り、85便の他の乗客たちも「間違いなく正しい判断だった」とコメントしています。
Air Canada pilot diverts international flight to save dog
ドイツを経由したことによって、余計な燃料費を損失することを承知した上での今回の機長の対応について航空専門家は「機長には機内の全生命を守る責任がある」と、適切な対応であったことを述べています。
– 出典 – Youtube