飢えと寒さでボロボロの状態になっていた野良猫。多くの人の手で、人を信じるようになり本来の輝きを取り戻す。

飢えと寒さでボロボロの状態になっていた野良猫。多くの人の手で、人を信じるようになり本来の輝きを取り戻す。

その後、マリーさんは猫を地元の保護施設に連れて行きましたが、施設内は動物達がいっぱいで、引き取ってもらうことができませんでした。

マリーさんは猫と一緒に帰宅し、すぐに快適なベッドを用意しました。猫はそのベッドがとても気に入ったようで、しばらくすると深い眠りについたそうです。

それは長い間困難と戦ってきた猫が、ずっと望んでいたことでした。猫はずっと身体に痛みを感じ、安心して眠ることができなかったのです。

その後、地元の動物保護団体「シャトン・オルフラン・モントリオール」が猫の世話と追加の治療、そしてリハビリの提供を申し出ました。

保護団体のセリーヌ・クロムさんはこう話します。

「猫は頰に膿瘍(のうよう。細菌が傷から侵入し、皮膚下で増殖し、膿がたまった状態)や戦いでできた傷があり、寒い時期を野外で過ごしてきたため耳に凍傷がありました。彼の身体の状態では、次の冬を乗り越えることは不可能でした。まだ本格的な寒さを迎える前に保護されたことが、彼の命を救いました」

セリーヌさん達は猫に「マルセル」と名づけました。

4歳のマルセルはとても緊張していて、目を誰とも合わせたくなかったようで、診察室でも下を向いたままでした。

「マルセルは新しい環境をとても怖がっていました。彼の歯は数本欠けていて、凍傷や傷があり、これまでの生活が非常に苦しかったことが伝わってきました。」

その後、マルセルは養育ボランティアのリリーさんの家で育てられることになりました。

とても落ち着ける場所に来たマルセルは、24時間以内に物陰から出てきて、リリーさんの膝の上に登ってきたそうです。

「マルセルはそのままリリーさんに寄り添いながら眠りにつきました。それはマルセルにとって、新しい人生の始まりでした。初めは少しの音でも驚いていましたが、ここが安全な場所だと分かると、いつも穏やかな姿を見せてくれるようになりました。」

マルセルは6.3kgほどの体重がある、大きな猫です。マルセルは日々力強くなっていますが、心の中は子猫のままだそうです。

保護から数週間が経つ頃には、マルセルは完全に自分の殻から出てきて、いつもリリーさんに愛情を求めるようになりました。

マルセルはリリーさんに話しかけられるとすぐに駆け寄って来て、寝る時間になると抱っこを要求してくるようになったそうです。

「マルセルは毎日たっぷりと甘やかされ、愛情いっぱいのハグをしてもらいました。そんな日々を過ごしているうちに、彼の表情は幸せなものへと変わっていきました。」

「マルセルは今までに多くの困難に直面してきました。しかし、今はリリーさんの愛情と世話のおかげで、彼の心は大きく開花しました。」

そして、保護から2ヶ月後。ようやくマルセルに新しい里親が見つかったのです。

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