ルナはアメリカのサウスカロライナ州のチャペル・ルート家の一員として暮らしているメスの黒猫。
一家には他にサンシャインという先住犬がいます。しかし、猫を飼うのはこれが初めて。ルナが最初の猫だったのです。
奥さんのエミリーさんにとって、ルナは予想外の家族でした。
彼女は初め猫を飼う気はなかったが、6人の子どもたちと夫のジェリコの熱意に根負けしてルナを引き取ることにしたのです。
それでもしばらくするとエミリーさんもルナを気に入り、その後はスターという幼い黒猫も迎えました。
2人の大人と6人の子どもたち、1匹の犬と2匹の猫。
家族の数は合計11と、サッカーチームができるくらいの大所帯となりました。
しかし、もしあの時、エミリーさんがルナを飼うのを反対し続けていたら、一家は火事に巻き込まれ、家族の数は極端に減っていたかもしれません。
ルナはもともと外が好きな猫で、家族が寝ている間に帰宅して「朝になったよ~」と足にじゃれて起こし、ゲットした戦利品を自慢げに披露する猫でした。
それは8月1日の早朝。ルナが就寝中のエミリーさんのところにやってきて、足にじゃれつきはじめました。
一見いつもと変わらない彼女の行動には、緊急避難をうながすメッセージが込められていたのです。
「彼女はいつもと違ってかなりしつこくって、”起きて!”と言っているみたいでした」
最初はまたハントしてきた獲物を見せに来たとばかり思っていたエミリーさんでしたが、あまりに執拗なルナに負けて起きることにしました。そして、目が覚めると家の中がおかしいことに気がついたのです。
そして、その後。
「寝室から廊下に出ると、もうドアの周りが炎に包まれてて、その火がキッチンに向かってのびていることに気づいたんです」
火事だ!!一気に目が覚めたエミリーさんは大あわてで居間に走り、前夜のパジャマパーティで盛り上がってぐっすり寝ていた6人の子どもたちを起こしました。
その年齢は7カ月から10歳までと幅広かったが、全員を外に避難させました。もちろん動物たちも。
一方、夫のジェリコさんはその時不在。ちょうど夜勤を終えて車で帰宅中だったため、後になって火事のことを知ったといいます。
その後、炎はさらに彼らの家を包み込んだが、ルナを含めた全員が助かりました。それもすべてルナのおかげ。
「もしルナが起こしてくれなかったら、私たちは無事でいられなかったかもしれません。私は心の底から彼女に感謝しています。ルナが私の足をひっかいて噛んでくれたおかげで、みんなが避難できたんです」
火事は鎮火したものの、彼らの家は内部が黒焦げになり、持ち物もほとんど全部焼失しました。
しかし、家はこれだけ大きな火災が起きたにもかかわらず、誰一人逃げ遅れずに無事助かったことを喜んでいます。
火事で焼けた後の様子。
いち早く火事に気がつき、エミリーさんの足をひっかき続けたルナ。彼女はその後、家族の命の恩猫として称えられており、その勇敢な行動のご褒美として、今後しばらくは豪華なごちそうをいただくことになったそうです。
参照元:littlethings