愛犬が最期を迎えるとき。後悔しないために飼い主さんが出来ることとは?

愛犬が最期を迎えるとき。後悔しないために飼い主さんが出来ることとは?

ペットとして飼っている愛犬は普通であれば、遅かれ早かれ、飼い主さんより先に命を落とします。これ以上治療しても回復の見込みはないが、まだひどい苦痛に襲われているわけではない。
意識もあるし、呼びかけにも応じる…交通事故などで死なれてしまうのでもない限り、きっとこんな光景に出会うはずです。

そして、飼い主さんはそんな徐々に衰弱していく愛犬を目の当たりにする前に、考えておかなければいけない事があります。

愛犬をどこで看取るのか?

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犬が終末医療を受けている場合、たいていは入院して点滴を受けている状態でしょう。この場合の問題は、夜間の様態の急変に対応するのが難しい事です。完全24時間体制の動物病院はごく一部です。

もちろん飼い主さんは愛犬の死に目に会えず、犬も知らない場所で1人、旅立つ事になります。しかし、点滴だけでもしないよりはしたほうが少しは楽でしょう。

会えなくてもいいから(あるいは最期に立ち会うのが辛いから)と、限界まで入院させて治療を希望する人もいます。それは1つの考え方ですので、どちらでもよい、悪いという話ではありません。

また「いよいよ」となった時点で連れ帰り、家で看取る飼い主さんもいます。家族が仕事や学校に行ってしまい、家が留守になる日中だけ入院して、夜は連れて帰るという形もあります。

いざという時に緊急蘇生をするか、しないか

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緊急蘇生はとてもデリケートな問題です。最初に申し上げておきたいのは、最終的な判断は飼い主さんがしなければいけないということです。

緊急蘇生をした方がいいと考えられる場合若い犬が交通事故などにあい、ショック状態に陥っている場合はした方がいいでしょう。

うまく乗り越えられれば、回復して元気に退院できる可能性も十分考えられます。緊急蘇生で、ある程度回復の見込みがある老犬もそうです。また、獣医から連絡を受けて、10分以内に動物病院にかけつけられ、最期の瞬間に立ち会うためならば、緊急蘇生を頼む意義があるでしょう。

無理に緊急蘇生をしなくてもいいと考えられる場合
老犬は衰弱すると、最期には呼吸が停止します。緊急蘇生は、酸素吸入や心臓マッサージ、強心剤の注射などで、一時的に心拍や呼吸は回復するのですが、結局、数十分後には同じ事になり、2〜3回目にはついに、この緊急蘇生に反応しなくなります。

死の世界から生の世界に連れ戻そうとしているわけですが、そこにはいくばくかの苦痛があるかもしれません。つまり、回復の見込みがなく、意識が遠のき、ろうそくの火がふっと消えるように旅立つのであれば、それを無理に引き戻すのは人のエゴかもしれないという事です。なお、このような自然死しようとしている老犬の緊急蘇生に関しては飼い主さんに事前相談すると「緊急蘇生はしなくていい」という方のほうが多いようです。

安楽死について

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どんな生き物でも最期は死を迎えます。特に病気ではなくたんに衰弱したとしても、おそらく最期の瞬間、少しは苦しいことでしょう。
しかしそれは誰もが等しく通過する儀式ですから、静観すべきだと思います。しかし、円満な最期とはいえないような苦痛がともなっているとき、例えば、呼吸困難で死亡する場合などは、見ていて辛いものです。

その苦痛から救ってあげるためなら、安楽死という手段を選択してもいいと思います。もちろん、その見極めをするのは、最終的には飼い主さんになります。あなたが飼っている愛犬との出会いは1回だけで、2度はありません。おそらくどんな選択をしても、犬がその選択を望んでいたのか、かならず疑問と後悔があとで出てくるでしょう。

それを少しでも減らすためにも、最大の配慮をしてあげてください。全力で犬を看取ることは、自分のためでもあるのです。
愛犬が何を望んでいるかは、十何年もの付き合いの飼い主さんがよくわかっているでしょう。悔いのないよう精一杯の愛情で看取ってあげてください。

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