人間に酷使され、瀕死のゾウに寄り添い愛を届け続けたのは、同じ人間のために働き、使い物にならなくなって保護区にやってきた犬だった。

人間に酷使され、瀕死のゾウに寄り添い愛を届け続けたのは、同じ人間のために働き、使い物にならなくなって保護区にやってきた犬だった。

キャサリンさんは「ブーン・ソングがサオノイの最期を見届けたように、今度はパンケーキがブーン・ソングのそばに寄り添ったのです」と語ると、こう続けた。

「観光客を約30年間も背中に乗せて働いたブーン・ソングは、あと少し働いていたら背中を骨折していたという状況でここにやってきました。保護されて5年間でしたが、BLESでブーン・ソングはやっと自由を知りました。この広い土地で好きな場所を見つけ、リラックスする姿を何度も見かけたものです。ブーン・ソングにはお気に入りの木があって、そこに出向いてはその木を引っ掻き、小川が流れる大好きな場所に行っては自分の身体に泥をなすりつけて楽しんでいました。倒れてしまうまで、まるで自分の人生を取り戻すかのように精一杯生きていたと思います。」

ブーン・ソングの最期の1週間は、キャサリンさんにとって非常につらいものとなった。

しかし静かに、確実にその日はやってきた。キャサリンさんはブーン・ソングが息を引き取った翌日の7日、BLESのFacebookに「パンケーキに敬意を表したい」として、次のように綴っている。

「私たちは昨日、美しくも年老いた1頭のゾウを亡くしました。私はブーン・ソングが息を引き取るまでの9時間、慰めて愛を伝えるために片時もそばを離れることはありませんでした。その間、パンケーキは私とブーン・ソングを見守るようにただ静かに座っていました。日が落ちて暗くなっても、ブーン・ソングの最期を見届けるまで、パンケーキはそばで私たちを支えてくれたのです。まるで自分が必要とされていることを知っているかのようでした。」

ブーン・ソングの亡骸は、大好きだった果物や花とともにBLESの敷地内に埋められた。隣には先に逝ったサオノイが眠っているという。

thedodo

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