心無い飼い主に捨てられれ、全身をノミとダニに覆われた老犬。保護されてから迎えた最期とは。

心無い飼い主に捨てられれ、全身をノミとダニに覆われた老犬。保護されてから迎えた最期とは。

血液検査の結果、重度の貧血がありましたが、ダニによる感染症やフィラリアにはかかっていなかったことは奇跡的でした。

医療スタッフたちは5時間かけてダニやノミを除去しましたが、その数はなんと1,000匹だったそうです。コリンには抗生物質が投与され、丁寧にシャンプーもしてもらいました。

さらに、暖かい毛布と食事が与えられ、優しいスタッフからの愛情と励ましの声を、コリンはしっかりと受け取りました。

コリンはケアを受けている間ずっと穏やかな表情で、24時間後には尻尾を振れるまでに回復していきます。

治療を受け始めてから数日後には食欲も回復し、大きく尻尾を振り続けるようになったコリン。

その姿は、「まるでコリンが医療スタッフたちにお礼を告げているかのようだった」とグレースさんは言います。

コリンの全身は関節炎にかかっていたのでハリ治療も計画され、背中にできた腫瘍の除去手術も必要でした。

グレースさんは、コリンが飼い主に恵まれなかったせいで、これほどまでに辛い経験をすることになったことを切々と語ります。

「飼い主が愛情を持って病院の診察を受けさせていれば、コリンの失明もうっ血性心不全も、重度の脊髄関節炎も、千匹ものダニに侵されることもなかったんです」

コリンが望むものは、暖かいベッド、触れ合い、食事。たったそれだけのことさえ実現しなかったコリン。グレースさんは飼い主の飼育放棄の結末に悲しみと怒りを感じていました。

「過去を塗り替えることはできません。残された時間は長くないかもしれませんが、私たちはこれから毎日コリンを愛していきます」

こう語るグレースさん。

そして、保護されて数日後、グレースは永眠についたのです。

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